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宅配便に関する 2 〜 3 の事項


もくじ

はじめに

この記事は、電子機器や物理媒体 ( 光学媒体、フロッピーディスク、ROM カセットなど ) 、小冊子類を梱包したのち、宅配便で発送する際の注意事項に関する忘備録です。

なお、アーケード筐体のような特殊な対応が必要な物 ( 宅配便で対応不可能な重量物、車上渡しとなる物品など ) には対応していません。運送事業者へ直接問い合わせる事を推奨します。

また、車上渡しとなる場合は搬入費用の概算を検討する必要が有りますが、概算検討時の計算書式の案については「機器搬入費算出計算書」を公開していますので、そちらを参照して下さい。


輸送する品物の大きさ、質量を確認

発送したい荷物 ( 以下、『内容品』と記載 ) を入れる為の段ボール箱 ( 以下、『輸送容器』と記載 ) を用意する前に、まずは内容品の寸法と質量を計測し、次に運送事業者の案内を確認しつつ、どの方法で発送するか決定しましょう。

運送事業者のサービスを利用する場合も制限が有ります。例として、主な運送事業者が提供する宅配便の一覧表を提示します。 ( 提示した以外のサービスも有るので、詳細は各自調べましょう ) 

運送事業者のサービス例
分類 種類 サービスの一例

一般的な
サービス

標準

ゆうパック
宅急便
飛脚宅配便

小型サイズ

宅急便コンパクト
※1

大型サイズ

重量ゆうパック
ヤマト便
飛脚ラージサイズ宅配便

クール便
冷蔵タイプ
※2

チルドゆうパック
クール宅急便
飛脚クール便

クール便
冷凍タイプ
※2

クール宅急便
飛脚クール便

特殊な
サービス

小型軽量
かつ
低運賃
※3

クリックポスト
※4
ゆうパケット
※5
ゆうメール
※6

信書同封
※7

レターパック
飛脚特定信書便

  • ※1
    指定の専用ボックスを使用する必要が有る。
  • ※2
    提供サービスごとに、設定温度の違いが有る。詳細は後述。
  • ※3
    これらのサービスは約款上、事故時の補償を受ける事は出来ない。
  • ※4
    インターネット上の特定のサービスを併用してクレジットカードによる料金支払いが必要だが、その代わり低運賃で利用可能。
  • ※5
    クリックポストやゆうメールと比較すると運賃は嵩むが、発送できる物は広く対応している。
  • ※6
    条件次第ではクリックポストよりも低運賃だが、発送できるのは書籍やカタログ、説明書、電磁的記録媒体 ( カセットテープや FD、 CD など ) に限られる。
  • ※7
    通常の宅配便で信書を発送する事は法令で禁止されているが、総務省より許可を得て信書を発送できるようにしたサービス。なお、信書については支局 ( blog ) で掲載している解説を参照の事。
    みんなで書こうよ、ファンレター 〜第三編・基本的な作り方〜
    3−7−1.郵送する場合

各社の案内を参照していくと、料金や補償内容に違いが有る、内容品によっては発送が不可能な場合が有る事、発送が可能でも割増運賃が必要になる、元払いや着払い、代引きの適用可否の違いが有る、という事が何となく分かると思います。

細かな条件は運送事業者により異なるほか、一度使用した事が有る発送方法でも約款が改正されている事も考えられますので、発送する前に必ず運送事業者の公式ウェブサイトを参照するようにしましょう。

参考 - 自分で輸送する時

公共交通機関を使って自分で手荷物として輸送する場合、交通事業者ごとに定めている制限内に収まる様、梱包する必要が有ります。制限の例については、当ウェブサイトの支局へ掲載している記事を参照して下さい。

支局の記事は、それぞれ鉄道編、航空機編を記載しています。

なお輸送時は、折り畳み可能なキャリーカートに輸送容器ごと載せて輸送すると便利です。キャリーカートを選ぶ際の着目点は以下の三点です。

  • 許容される容積と荷重の数値
  • 収納時の小ささ
  • タイヤの大きさ

キャリーカートは載せられる大きさや耐荷重の性能が良いほど汎用性が有りますが、そのぶんキャリーカート本体が重たくなり取り回しに苦労する事になりますので、あまり過剰な性能の物を選択するのは避けた方が良いでしょう。

タイヤの大きさについては神経質になる必要は有りませんが、余りに小さかったり細かったりすると、路上のグレーチング ( 格子状になってる側溝の蓋 ) や点字ブロックなどに嵌りやすくなりますので、ある程度以上の大きさだとより望ましいと考えられます。


輸送容器の許容荷重

発送方法が決定したら、次に内容品を収容できる容積、許容荷重を確保できる輸送容器を準備します。輸送容器としては折畳みコンテナや段ボール箱が考えられますが、この記事では段ボール箱のみ取り上げます。 ( 輸送容器は、専門的には『外装』や『二次包装』などと呼ぶ様です ) 

国内の運送事業者を利用、かつ、国内への発送で輸送容器に段ボール箱を使用する場合、JIS Z 1506「外装用段ボール箱」適合品を使用すれば特段大きな問題は生じないと考えられますが、最大寸法 ( 長さ、幅及び深さの内のり寸法の和の最大値 ) と、最大総質量 ( 内容品質量と包装材料質量との和の最大値 ) の関係が決まっている ( 例えば、120cm なら 10kg ) 事には注意しましょう。

海外の運送事業者 ( FedEx Corporation 社や UPS 社など ) を利用する、もしくは国外へ発送する場合、内容品は米国のルール 41 ( 鉄道運賃等級段ボール箱仕様書 ) 、アイテム 222 ( 米国トラック運賃等級段ボール箱仕様書 ) など、他の規格による輸送容器での梱包を前提に荷物を扱う場合が有ります。

よって、特に国外へ発送する場合は、JIS 規格よりも更に強度を有する輸送容器を準備する必要が無いか運送事業者の約款を確認して、内容品が破損しないようにしましょう。

参考 - 輸送容器の省略は可能なのか

内容品を発送する際、簡易包装と称し緩衝材やクラフト紙を巻き付けて輸送容器を省略する方が居る様ですが、この方法は運送事業者から取り扱いを拒否される事が有ります。

これは、物流センター等で区分装置による自動仕分けを行う際に緩衝材やクラフト紙が破れて機械内部に詰まったり、さらに内容品が破損する事も有り得る為です。

どうしても簡易包装の状態で発送したい場合は、発送前に運送事業者へ確認すると良いでしょう。


傷、貼り付きの防止

内容品の種類や数量によっては、輸送容器へ直接入れたのでは傷がついてしまう、または貼り付いてしまう、などの問題が懸念される事も有ります。このような場合、対策として一つずつ個別に包装していきます。 ( これを専門的には『個装』や『単位包装』、『一次包装』などと呼ぶ様です ) 

個別に包装する際の資材は、運送事業者ごとに推奨は異なるものの、汎用性の観点では気泡緩衝材 ( いわゆるエアーキャップ、プチプチ ) が有利だと思われます。次に、個別に包装する時の具体的な注意点を記載します。

個別に包装する時の具体的な注意点
内容品の
特徴
説明文

内容品が埃や水分の影響を受けやすい

内容品がほこり、水分の影響を受けやすい、内部に液体や粉末などが入っている場合は汚損防止や防水の観点から、内容品をポリエチレン製の袋などへ入れて密封しましょう。

輸送容器内に複数入れたい場合は、後述する通り仕切り板を設けましょう。

傷が付きやすい物

傷を防止する為に、通常の紙では無く薄葉紙という柔らかい紙で包んでから、輸送容器へ入れると良いでしょう。紙類では貼りつく恐れが有るなら、薄手のポリエチレンなどプラスチック製のフィルム、または袋で包む方法も考えられます。

輸送容器内に複数入れたい場合は、後述する通り仕切り板を設けましょう。

割れやすい物

紙や単純なプラスチック製のフィルムまたは袋で包むのではなく、気泡緩衝材で一つずつ包みます。

輸送容器内に複数入れたい場合は、後述する通り仕切り板を設けましょう。

輸送容器内に、細かい物を複数入れたい

傷が付いてもそこまで問題にならない様な場合でも、段ボールや厚紙などで内容品同士を隔てる仕切り板を設けて、輸送容器内で内容品同士が接触して破損するのを抑制しましょう。

傷が付きやすい物、割れやすい物は、それぞれ一つずつ包装してから、仕切り板で区切った区画へ一つずつ入れていきます。

質量が異なる

輸送容器内へ内容品を複数入れるが、それぞれ質量が異なるという場合、下から順番に質量が有って強度の高い物を輸送容器へ入れましょう。


緩衝材

一つずつ包装した内容品を輸送容器へ入れたら、隙間へ緩衝材を詰めて梱包していきます。 ( これを専門的には『内装』と呼ぶ様です ) 

緩衝材も運送事業者ごとに推奨は異なるものの、どの運送事業者も新聞紙などを丸めた物は時間が経つと潰れて輸送容器内に空隙が出来てしまうので、多少詰め込むように入れるなど注意喚起を行っています。

緩衝材の厚さについては各運送事業者のガイドラインを比較していくと、どの面もそれぞれ 6cm 以上の厚さが有れば問題ないと考えられます。

参考までに、各運送事業者の梱包に関するガイドラインの例を提示します。

端部や突起部は上記で挙げた基準に関わらず、当て物による補強を行った上で緩衝材の増し張りをした方が良いと考えられます。

緩衝材は輸送容器内で内容品が動き回る事を防止する為に、隙間を埋める目的で入れる訳ですが、不用意に隙間を残すと衝撃を加えられた時に、加速度伝達率が急激に上昇 ( つまり、内容物が大きな衝撃を受けて破損する可能性が高まる ) する、という実験結果も報告されています。

緩衝材は種類により、衝撃や繰り返しの振動に対する特性が異なるのではないか、と思って調査しているものの、執筆時点では根拠となる資料を発見できていません。なお、調査の中で緩衝材に紙製のばねを用いる研究を発見しましたので、参考文献に提示しておきます。

緩衝材に古紙を使用すると省資源化に貢献できますが、個人情報の流出に注意が必要です。個人情報そのもの ( 氏名や住所等 ) が記載されている物をそのまま使用するのは論外ですが、それ以外でも新聞紙の地方面、個人商店や大手企業でも特定の地域を対象に発行されているような広告の再使用は、極力避ける様にした方が良いでしょう。

内容品が壊れやすい、貴重である等の理由で輸送容器や緩衝材による保護能力を上げたい場合、内容品を入れた輸送容器を更に緩衝材を入れた別の輸送容器へ入れるという手法も有り、先ほど挙げた FedEx Corporation 社やディー・エイチ・エル・ジャパン株式会社のガイドラインに梱包例が記載されてます。


封印用のテープ

輸送容器に内容品や緩衝材を入れ終えたら、最後の封印にテープを用いる事が多いと思われますが、使用するテープは先述した各運送事業者の梱包に関するガイドラインを比較していくと、幅 5cm 以上の粘着テープ ( 俗にいうガムテープ。厳密には本来のガムテープと粘着テープは別物だが、一般的には混同されている ) が良いと考えられます。

粘着テープであれば、一般的にクラフト粘着テープ ( 紙製のガムテープ ) でも布粘着テープ ( 布製のガムテープ ) でもそこまで大きな問題は無いと思われますが、ディー・エイチ・エル・ジャパン株式会社の様に布粘着テープを指定している場合も有ります。

なお、クラフト粘着テープは強度や粘着力に劣る傾向に有る事、持ち上げた際に滑りやすいなどの理由で、布粘着テープの使用を推奨する意見も有ります。粘着テープを製造しているメーカーの公式ウェブサイトを確認すると、確かに布粘着テープの方が優位な傾向の様です。

粘着テープの貼り方ですが、「十」の字型または「工」の字型、もしくはこれらを組み合わせた方法が強度面で優位だと考えられます。 ( テープの貼り方に関する詳細な解説は、先述した各運送事業者の梱包に関するガイドラインを直接参照して下さい ) 

なお封印用のテープに、養生テープは使用してはいけません。「養生」という名前が付いている通り、簡単に剥がせる様になっており、内容品の破損や紛失の原因となってしまいます。


国外からの輸入または輸出

国外へ輸出または輸入する場合、国内の宅配便とは異なった各種手続きが必要です。この記事の執筆者は、個人で輸入または輸出を行った経験が無いので詳細は不明ですが、必要書類については以下に挙げる日本郵便株式会社のウェブサイトを参照すると良いでしょう。

国外へ輸出または輸入する場合の手続きで不備が有ったり、自国または相手国で法令上の規制に引っかかる場合は、税関で止められて面倒な事になりますので、注意しましょう。

参考 - 手荷物で運搬するとき

公共交通機関を使って自分で手荷物として輸送する場合、自国または相手国で法令上の規制に引っかかると出入国審査の段階で止められてしまう可能性が有ります。

出入国審査で止められる可能性が有る物の例については、当ウェブサイトの支局へ掲載している記事を参照して下さい。


伝票

宛名類を記載する伝票は、可能であれば伝票印字サービスを使用すると良いでしょう。なお、国際郵便の場合は通関電子データの送信が義務化されている為、手書きの伝票は使用出来ず、また、日本郵便株式会社の専用ページから手続きする必要が有ります。

伝票を手書きで書く場合は、誤読による誤配達、機械による読取の失敗で遅延配達などが起きない様、製図文字で視認性を高めておくのも一つの方法です。

伝票に住所を記載する際は、番地や建物名称、部屋番号などを中途半端に省略したりせずに、全て正確に記入しましょう。

なお筆記用具は、複写式の伝票を記入する事や記入後の視認性、水に濡れる可能性を考慮し、油性ボールペンを使用すると良いでしょう。筆記用具に関しては、支局で記載している事項も参考にして下さい。


梱包時の具体的な注意点

ここからは内容品を輸送容器へ入れて梱包する前の、個別の包装を行う際に注意すべき事項を種類毎に記載していきます。

梱包時の具体的な注意点
内容品の
種類
説明文

電子機器、
プリント基板、
電子部品

むき出しのプリント基板は、帯電防止機能付の気泡緩衝材で包装するか、または帯電防止機能付の袋に入れてから通常の気泡緩衝材で包装しましょう。

筐体に入っている電子機器は、静電気による破損が起きない事を条件に、通常の気泡緩衝材で包装する事が可能です。電子部品については、足が破損しない様に導電性スポンジに差してからプリント基板と同様な包装を行います。

筐体内部のプリント基板でもむき出しのプリント基板でも、基板へ直接重たい部品 ( 例えば変圧器 ) が実装されている場合、輸送中の振動でハンダ付け部分などに微細なクラックが発生して故障するおそれが有ります。

このような故障を抑制する為、プリント基板に過度な負担が掛からないよう重たい部品の質量を支える為に筐体内部にも緩衝材を詰めるとか、可能であれば部品を一旦取り外すなどの対策を検討しましょう。

フロッピードライブの場合、可能であれば磁気ヘッド保護用のシート ( 5.25 型 FDD またはプラスチック製のプレート ( 3.5 型 FDD ) を挿入して、気泡緩衝材で包装します。

完成品の電子機器について梱包する手間を最小限にしたい場合は、ヤマト運輸株式会社の「パソコン宅急便 BOX 」や「精密機器 BOX 」という製品を活用すると良いでしょう。

液晶
ディスプレイ

液晶ディスプレイは、一番破損しやすいパネル本体を傷が付かない様に個別に包装してから、ベニヤ合板や複数枚の段ボールなど堅固な平板で保護のち、輸送容器へ入れて梱包します。

輸送容器とパネルが相対している面には明確な表示を行った方が良いでしょう。

アームなどは破損を防ぐ為、これも個別に包装してから輸送容器へ入れるようにします。分解する事が不可能な場合は、細い部分を当て物をして補強する、緩衝材をひねって巻き付けて密着させるなど、繰り返しの振動で折損する事が無いようにします。

電池

電池は一般的に、輸送時に何らかの制限を受ける事が多々あります。

電池の輸送はその条件 ( 電池の種類、数量、輸送方法 ) により選択肢が多義に渡る事、制度の改正を行う事が比較的多いなどの事情が有りますので、以下の参考資料を直接参照するようにして下さい。

ポスター

ポスターを輸送する場合、公共交通機関を使用して輸送するのであれば筒型の図面ケースを使用すると持ち運びに便利です。

図面ケースにポスターを入れる時は、一旦、図面ケースよりも少し細めに丸めてから輪ゴムまたは捨てても良いメモ用紙と粘着テープの組み合わせなどで固定して入れると、後で綺麗に取り出しやすくなります。

宅配便を使用する場合は、中心部に芯になるもの ( 例えば紙製の筒 ) を用意してポスターを芯へ巻き付けたのち、ポスター用として販売されている三角形の段ボール箱か、自分で三角形へ加工した段ボール箱へ入れて発送すると良いでしょう。

小冊子、
チラシ
 ( フライヤー ) 

ここでいう小冊子とは、店頭でもらえる様なカタログまたは同人誌を指します。チラシとフライヤーは厳密には元々の語源が異なりますが、この記事では同一の物として扱います。

小冊子については、製本サイズに適合したファイルケースを使用すると折り曲げずに輸送可能です。チラシの場合はクリアファイルに入れてから、そのクリアファイルごとファイルケースへ入れ、輸送容器へ入れて梱包しましょう。

チラシはクリアファイルのみで梱包する事も不可能では有りませんが、クリアファイルごと折り曲げてしまう可能性が有るので、複数枚の段ボールなど堅固な平板で挟み込んで輸送するなど、取り扱いに注意しましょう。

イラストボード

基本的には、小冊子、チラシ ( フライヤー ) の場合と同じ梱包を行います。

折り曲げずに輸送したい場合は、傷が付かない様に個別に包装してから、ベニヤ合板や複数枚の段ボールなど堅固な平板で保護のち、輸送容器へ入れて梱包します。

ガラス、陶器など割れ物

先述している通り気泡緩衝材で個別に包装する必要が有りますが、瓶のように一部が細くなっている場合は、細い部分へ気泡緩衝材をひねって巻き付けて密着させる事で、出来るだけ衝撃を吸収できるようにします

内容品の形状が円筒の場合は、縦置きにして輸送容器へ入れます。横置きにした場合、側面は底面よりも薄い事が多い事、荷重や衝撃が一点に集中しやすくなる事から、破損しやすくなります。

電磁的記録媒体

当然の事ながらセキュリティ面のの心配が有りますので、必要であれば運送事業者が提供している専用のサービスを使用しましょう。

どの媒体も、基本的には電子機器と同様な包装を行えば問題は有りませんが、フロッピーディスクは貴重なデータが入っているならば、防磁ケースへ入れてから包装しましょう。

写真フィルムについては、以下の通り製造メーカーから案内が出ています。航空機を使用する場合は、特に注意しましょう。

低温度の管理が必要な場合

内容品を輸送するのに低温での温度管理が必要な場合、運送事業者がクール便やチルド便と呼ぶサービスを使用すると良いでしょう。

一言でクール便やチルド便と言っても、運送事業者により設定温度や区分が微妙に異なったり、同一の運送事業者で複数の区分を設定している事が有ります。設定温度と用語の関係性は、物流業や運送業だと

  • 「常温」または「ドライ」は、20 度から 10 度
  • 「冷蔵」は、10 度から 5 度
  • 「チルド」は、5 度から -5 度
  • 「氷温」は、-1 度程度
  • 「パーシャル」は、-3 度程度
  • 「冷凍」は、-15 度以下

というのが目安になるようです。

設定温度と用語の関係性は、各々定義に微妙な違いが有ったりするほか、倉庫業を営む倉庫の場合は C 級や F 級の等級により区別するなど様々な違いが有りますので、事前によく確認し、正確に指定して発送しましょう。

なおドライアイスを使用する場合、気密性の高い容器 ( 蓋を閉めたペットボトルなど ) に入れると、容器が破裂して怪我や事故の原因となるので、気密性が高すぎない容器を使用するか、破裂しないよう気圧差を吸収できる穴を開けるなど注意して扱いましょう。


破損・紛失

内容品に関して何らかの補償を求める場合、注意点として、運送事業者のサービスによっては補償を求める事や到着日時の指定が不可能、または補償の上限金額が低い、運送事業者からの補償を直接求められるのは荷送り人 ( 荷物を発送した人 ) で、荷受人 ( 荷物を受け取った人 ) は直接求める関係に無い、という二つの点です。

例えばゆうメールは、カタログやチラシなど「信書でない、替えが効く」物を送付する前提となっていて、補償を無くしたり到着日時の指定を出来なくする事で、料金の低価格化を図っている制度です。よって、仮に内容品の破損や紛失が発生しても、補償を求める事は出来ません。

運送事業者からの補償を荷受人は直接求める関係にない、というのは意外に感じるかも知れませんが、これは運送事業者と運送契約を行ったのが荷送り人で有って、荷受人では無い事が理由です。

  • 破損していた場合

荷物の受取時に輸送容器が破損していた場合、可能であれば伝票へ受領印を押す前に宅配担当者の立会の元で開梱して、中身の確認を求める事を推奨します。

運送事業者の約款にもよると思われますが、輸送容器が破損している場合、外装異常という事故扱いになり、開梱して内容品に不良が有る場合は受取拒否にすると、宅配事業者が荷送り人と協議・手配して、内容品を正常な物と交換するか、交換できない場合は返金など対応する様です。

受取拒否自体は内容品を確認しなくても可能なので、輸送容器が大きく破損しているが内容品を見られたくない、という場合は、内容品を確認せずに受取拒否とすると良いでしょう。

輸送容器の外装に異常が無いのに内容品が破損していた場合は、運送事業者の補償を受ける事は困難な為、荷送り人と協議しましょう。

  • 補償について

運送事業者の約款により異なりますが、補償金額の上限は概ね 30 万円程度です。この金額よりも高価な物を発送したい場合は、追加の契約により保険をかけて補償金額の上限を引き上げる事が可能な場合も有ります。

なお、中古品またはジャンク品の場合、補償金額は新品時の定価では無く減価償却した後の金額となる様です。


おまけ

業務用途では輸送時にパレットと呼ばれる荷役台を用いる事が有りますが、これに関する資料をおまけとして提示しておきます。


参考文献


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