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工具に関する雑記 その他


もくじ

はじめに

この記事は元々、PC-9821 型番の機種で VFO 付 5.25 型 FDD をファイルベイに増設する配線へ使われている端子に関するメモ書きを作ろうと書き始めたものです。

そのような経緯から「電子部品の調達先に関する雑記」におまけとして掲載予定でしたが、ついでにアレもコレも、と書き足していたら記事が長くなりすぎたため、分割して単独の記事にしました。

記事は五回に分けて公開します。


今まで解説してきた工具以外にも、部品を摘まむ、曲げる為の工具や電気的な計測する為のテスターも必要です。

この記事で解説していきます。


ピンセット

指先では扱い辛い、細かい電子部品などを掴む時に使用する道具です。この記事では、板バネ形状で指先の力加減で扱うもののみ取り上げるものとし、小型の電動ポンプなどを用いた吸着ピンセットの様なものは取り上げません。

ピンセットを選ぶ時は、先端の形状、材質が重要です。

先端の形状ですが、一般的に先端が真っ直ぐ尖っているもの、丸いもの、平らなもの、曲がっている鶴首のもの、滑り止め加工がなされているものなどに分かれています。

尖っているものは先端で掴む物の角度を調整しやすいですが、一部分に圧力が集中しやすい構造です。丸いものは均一に圧力がかかるので傷を付けにくいですが、先端に持つものの角度を調整しにくい事が有ります。先端が曲がっている鶴首のものは、掴んだ物が見やすいと言われています。

材質は一般的にはステンレス製が多いですが、非磁性やハンダ付けなどでの作業性を考慮したチタン製、ESD 対策でグリップ部分がプラスチック製の製品も有ります。

ピンセットは一般的に、指先で力をかけて閉じる事で掴んだ物を保持し、力を緩めると掴んだ物を離す仕組みになっています。しかし、指先の力を緩めれば掴んだ物を保持し、力をかけると掴んだ物を離す、つまり通常とは逆の動作になるピンセットも存在していて、逆作用、もしくは逆動作ピンセット等という名称で販売されています。

安価なピンセットは先端の加工精度が低い傾向が有るので、掴む物の大きさも考慮して選ぶと良いでしょう。


ペンチ

ペンチは、主に電線や電子部品のリード線の切断、曲げ加工に使用する工具です。

ペンチは大きく分けて二種類あり、通常の大きさのペンチは JIS B 4623、細かい作業を行う為に先端が細くなっているラジオペンチは JIS B 4631 に定められていますが、工具自体の寸法が JIS 規格以外のものも存在します。

通常のペンチはいわゆる強電 ( AC100V 回路など ) で使用する電線の加工に用いられ、ラジオペンチは弱電 ( 通信回路など ) で使用する電線や電子部品のリード線の切断や整形、曲げ加工するのに使用します。

一般的に、ペンチにも切断能力が有ります。しかし、切断面が平面ではなく尖った形状になる為、平面にする必要が有る場合は片刃ニッパーを使用すると良いでしょう。

ペンチを選定する時は、加工する素材とその厚さ ( 太さ ) を満たす切断能力を持つ製品の中から、握りやすさを確かめてから決定します。

電子部品のリード線を特定の形状へ加工する場合、何度も同じ形状に加工するのであれば、ラジオペンチではなくフォーミングプライヤを使用する、という手段も有りますので、検討してみて下さい。


テスター

回路の状態を計測する時、計測の基本となるのはテスターです。テスターを購入する時は、何を測定したいのかを明確にすると選びやすいでしょう。テスターで測定できる代表的な項目は次の通りです。

  • 電圧
  • 抵抗
  • 導通
  • ダイオードテスト
  • コンデンサ容量
  • 周波数
  • デューティー比
  • 電流
  • トランジスタ直流電流増幅率

上記で測定したい項目を明確にしたら、次に測定する範囲を確かめます。

例えば、交流電圧の測定を例にすると

  • テスター自体の電圧測定可能範囲に収まっているか
  • 交流電圧の周波数は、テスターの測定可能範囲に収まっているか

以上の様な手順で確認して、テスターを選定すると良いでしょう。

なお、テスターで交流電圧を計測すると、最大値 ( PEAK ) ではなく実効値 ( RMS ) を表示するので、数値の扱い方に注意しましょう。

テスターには大きく分けてアナログ式とデジタル式が有りますが、現在では扱いやすさ、機能の豊富さ、比較的小型である、という理由でデジタル式が主流です。

アナログテスターとデジタルテスターを比較すると、一般的にデジタルテスターの方が機械的な可動部がない事から高精度 ( 測定値のバラつきが少ない ) 、高確度 ( 真の値と測定結果の差が小さい ) とされています。

また、アナログテスターは指針と目盛りから測定値を読み取る関係上、テスターと測定者の位置関係により視線にズレが生じて、測定値の読取誤差が生じやすいのですが、デジタルテスターは読取誤差が生じず、読取時間も短くて済みます。

なお、アナログテスターは高級機種になると読取誤差を抑える為に計器面へ細長い鏡が仕込んであり、実際の指針と鏡に映った指針が重なる様に視線を合わせて読み取る仕組みになっています。

アナログテスターでは、AC10V 以下だけの目盛りが有ったり、不等間隔の目盛りが有って、指針が指し示す値を注意して読み取る必要が有ります。この仕組みは簡単に書けば測定範囲を広げる為に存在していますが、これのおかげで慣れないと直感的に分かりにくい面でも有ります。

ただ、アナログテスターもその特性や扱い方を理解すれば使いどころが有るのも事実です。利点といえるのは次の点です。

  • 電圧や電流測定については、電源 ( 外部電源や電池 ) が不要
  • メーターの指針が敏感に反応する ( デジタルテスターはどうしてもワンテンポ遅れがち ) 
  • 指針が敏感に反応するおかげで、短い周期で連続的に変化する様子も把握しやすい。
  • 内部抵抗が計器面に表示されている事、抵抗自体の精度が良い事から、他の機器を校正する時に使う標準抵抗器の代用品に出来る。

デジタルテスターで製品同士の仕様を比較検討したい時は、直流電圧測定時の性能を確認すると基本的な性能を把握する事が出来ます。これはデジタルテスター自体が、どのようなレンジでも最終的には直流電圧として測定して結果を表示する為です。

テスターを使う場合、測定レンジを誤ると破壊してしまう事が有ります。例えばアナログテスターの場合、電圧測定レンジで制限値を超える電圧を測定するとコイル焼損を起こして、また、測定時の極性を誤ると計器の指針が逆に動こうとして故障します。

また、アナログテスターだけではなくデジタルテスターでも起きる故障として、抵抗測定レンジまたは電流測定レンジのまま電圧測定を試みた結果、テスターの測定用リード間が低インピーダンス状態で大電流が流れて、結果、テスター内部の回路が焼損する故障が有ります。

故障防止の為、使用したら必ず直流電圧測定のうち最も電圧が高いレンジ ( つまり、内部抵抗が最も大きいレンジ ) へ設定するか、「切」の位置が有る場合はその位置へ設定する、測定用リードを必ず取り外して保管するなど習慣づける事を推奨します。


キートップ引抜工具

キーボード分解用のキートップ引抜工具ですが、分解する前にキーの配列が分かる様、撮影するなどして記録しておきましょう。

キートップ引抜工具は、主にデスクトップ機で用いられているメカニカルまたはメンブレン型のキーボードでのみ使用できます。キーボードのメカニカルロックは元に戻してロックを解除した状態とし、スペースキーやリターンキー、シフトキー、テンキーのうち「0」キー辺りはスタビライザー ( 針金状の部品 ) が入っているので、無理やり外して壊してしまわない様に気を付けましょう。


8 型 FD 用のパンチ

8 型 FD の場合、書込み禁止に設定するには 5.25 型や 3.5 型と違って、媒体の一部を自ら加工する必要が有ります。

具体的には媒体の端のうちヘッドウインドウ近くの部分にて、右端から 44.45mm を中心に、幅 3.81mm、深さ 5.08mm にノッチを刻む事で書込み禁止へ設定出来ます。

カッターナイフなどで加工する事も可能ですが、専用の工具 ( 加工用のパンチ ) が存在していました。


部品の保管方法

分解した時、ねじや細かい部品を整理整頓して保管する必要が有ります。模型の塗装で使用する金属製または陶器製の小さな皿、仕切り付の合成樹脂製の箱を用いると良いでしょう。


参考文献


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