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仕様が異なる FD1231T の制御基板同士を比較する
日本電気株式会社が製造していた FD1231H や FD1231T のうち、初期モデルには PC-9800 シリーズ向けと PC/AT 互換機向けの仕様が存在していて、FDD 本体の部品番号 ( P/N ) 以外の違いは把握しづらいですが、よく観察してみると同一の部品番号が振られた制御基板上で、チップ抵抗の配置を変えて動作の設定を変更している事が分かります。
この記事は制御基板にどのような違いが有るのか、調査した際の備忘録です。
まずは、基板の外観を比較できる写真の一覧表から。比較した FDD は、PC-9800 シリーズ向けが FD1231T 、PC/AT 互換機向けが FD1231H です。
初期の FD1231T と FD1231H の比較写真集 |
PC-98 用 FD1231T |
PC/AT 互換機用 FD1231H |
説明文 |
全景写真 ( 初期モデル ) |
制御基板の全景。左側が PC-98 用、右側が PC/AT 互換機用。
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PC-98 用 FD1231T P/N |
PC/AT 互換機用 FD1231H P/N |
型番と P/N は、PC-9800 シリーズ向けが FD1231T ( 134-506790-011-0 ) 、PC/AT 互換機向けが FD1231H ( 134-506791-101-0 ) 。
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PC-98 用 制御基板 |
PC/AT 互換機用 制御基板 |
制御基板。制御コントローラは FDN139 と FDN143 と異なるが、基板上の P/N は両方とも G8QMM なので互換性が有ると思われる。
但し対応機種の違いからか、コントローラから 34 ピン端子間に有るチップ抵抗は配置が異なっている。
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以下に、基板上に実装されているチップ抵抗の違いを記載します。
FD1231T と FD1231H のジャンパ設定表 |
シルク 印刷 |
PC-98 用 FD1231T |
PC/AT 互換機用 FD1231H |
備考 |
R4 |
オープン |
47k ohm |
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R5 |
オープン |
47k ohm |
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R8 |
10k ohm |
2k ohm |
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R10 |
10k ohm |
2k ohm |
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R12 |
10k ohm |
2k ohm |
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R14 |
10k ohm |
2k ohm |
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R16 |
10k ohm |
2k ohm |
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R18 |
10k ohm |
2k ohm |
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R20 |
10k ohm |
2k ohm |
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R21 |
10k ohm |
オープン |
|
R22 |
10k ohm |
オープン |
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R23 |
オープン |
0 ohm |
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R24 |
オープン |
47k ohm |
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R41 |
10k ohm |
オープン |
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JA1 |
オープン |
0 ohm ( 2 位側 ) |
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JA2 |
10k ohm ( 3 位側 ) |
0 ohm ( 2 位側 ) |
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JA3 |
10k ohm ( 1 位側 ) |
0 ohm ( 2 位側 ) |
|
JA5 |
10k ohm ( 3 位側 ) |
10k ohm ( 1 位側 ) |
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JA6 |
10k ohm ( 4 位側 ) |
10k ohm ( 1 位側 ) |
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JA7 |
0 ohm ( 2 位側 ) |
0 ohm ( 4 位側 ) |
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JA8 |
0 ohm ( 1 位側 ) |
0 ohm ( 2 位側 ) |
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JA9 |
0 ohm ( 1 位側 ) |
0 ohm ( 2 位側 ) |
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JP3 |
0 ohm |
オープン |
|
JP4 |
0 ohm |
オープン |
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JP5 |
0 ohm |
オープン |
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JP15 |
オープン |
0 ohm |
|
JP16 |
オープン |
0 ohm |
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2DD 切替スイッチ |
オープン |
有 |
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FD1231H や FD1231T も、中期モデルでは同じと見せかけてパターンが微妙に違う基板が使用されています。以下に比較写真を記載します。
制御コントローラに FDN303 を使用した FD1231T を PC-9800 シリーズへ転用する方法は、PC-9821 に PC/AT 互換機用 FDD を接続する ( 実施編 ) を参照して下さい。
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