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SPARCstation シリーズの FDD のピンアサイン


もくじ

はじめに

ある日、インターネットオークションで出品状況を眺めていたところ、米国 Sun Microsystems, Inc. ( 現在は、米国 Oracle Corporation に吸収合併 ) の SPARCstation シリーズで使用されているフロッピーディスクドライブ ( 以下、FDD ) が目に留まりました。

出品されている FDD の説明文を読むと、SPARCstation シリーズの FDD はオートイジェクト機構を備えている様です。恥ずかしながら、この説明文を読むまでは SPARCstation シリーズと PC/AT 互換機向けの FDD は全く同一の仕様だと思い込んでいました。

オートイジェクト機構は何処に有るのだろうかと出品物の写真を観察してみると、 FDD I/F 部の端子で、端子のキー部分と GND の割り当ての関係性が PC/AT 互換機向けの FDD とは異なっている事に気付きました。

こうなってくると、PC/AT 互換機向けの FDD とは仕様が異なっている箇所が複数有る可能性が高い為、謎すぎるその状況を解明しようと資料を探してみると、SPARCstation シリーズで使用されている FDD についての資料を発見しました。

この記事では、資料を元にピンアサインと簡単な注意点に絞って解説します。なお、発見した資料は最後の参考文献にて記載します。


FDD のピンアサイン

次に、SPARCstation シリーズの FDD のピンアサインを示します。

なお、SPARCstation シリーズは FDD を 1 台しか内蔵していません。FDD にはドライブ番号を切り替えるジャンパや DIP スイッチが有るかもしれませんが、ドライブ番号は常に 1 台目 ( Drive Select 0 ) です。

FDD 端子 ピンアサイン
 ( SPARC station シリーズ ) 

SPARC
station
FDD
※1、※2
SPARC
station 5
※1、※2
※3
SUN
ULTRA 2
※1、※2
※4



不明 不明 不明



参考写真-1 参考写真-2 参考写真-3
1 Eject
※5
2 Density
3 GND または KEY
※6
4 Density Sense 1
※7
5 GND
6 Non Connected
7 GND
8 Index
9 GND
10 Drive Select 0
11 GND
12 Non Connected
13 GND
14 Non Connected
15 GND
16 Motor ON
17 GND
18 Direction Select
19 GND
20 Step Pulse
21 GND
22 Write Data
23 GND
24 Write Enable
25 GND
26 Track 00
27 Non Connected または GND
※8
28 Write Protect
29 GND
30 Read Data
31 GND
32 Side Select
33 GND
34 Disk Change
  • ※1
    SPARCstation シリーズでは、PC-9821 デスクトップ機の様に本体側端子と FDD 側端子のガイドの向きが異なっている。純正のケーブルは端子の向きが PC/AT 互換機用のケーブルとは異なる為、そのままでは流用できず、専用配線 ( PC-9821 で言うところの「反転ケーブル」や、「反転コネクタ」の様なもの ) との組み合わせて接続する必要がある。配線または FDD を純正品ではない物へ交換する時は誤接続しないよう、端子および配線の接続方向に注意する必要がある。
  • ※2
    製造メーカーの仕様書によると、ボックス型ピンヘッダ端子のピン番号は、誤挿入防止の突起がある面に刻印されている三角の目印を 1 番ピンとして扱う事が一般的である。
  • ※3
    専用ケーブルの部品番号は、「Part No. 530-2138」という情報が有る。
  • ※4
    専用ケーブルの部品番号は、「Part No. 530-2067」という情報が有る。
  • ※5
    オートイジェクト機構の制御ピンに割り当てられている。
  • ※6
    端子の逆差し防止用のキーピン。本体側はピンが存在するものの、FDD 側は殆どの場合、存在していない。
  • ※7
    用途は不明であるが、1kohm の抵抗でプルアップしている模様。
  • ※8
    Non Connected の機種と GND の機種が有る模様。

おまけ

参考文献のうち、「The Great SPARC Floppy Muddle」は、PC/AT 互換機用 FDD を簡易的な改造で転用しよう、という発想で作成された資料の様です。

その為、掲載されている情報は SPARCstation シリーズそのものに関する情報とPC/AT 互換機用 FDD の情報が混在しており、読む際には注意を要します。

なお当ウェブサイトの他の記事でも触れていますが、PC/AT 互換機用 FDD ではドライブ番号が Drive Select 1 に固定されている事が有り、転用する場合はドライブ番号周りの改修が必要になります。


参考文献


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