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国産電算機のピンアサイン 電源端子編
この記事では、PC-9800 シリーズの本体内部で使用されている電源端子のうち、代表的な端子の型番とピンアサインを取り上げます。
全ての端子を掲載している訳では有りませんので、掲載していない端子の情報については工作室の記憶様の「電源関連」の各記事を参照して下さい。
FDD や HDD、CDD のうち、デスクトップ機で用いるデバイスの電源端子は三種類あり、主に 3.5 型 FDD で用いる端子、HDD や CDD、5.25 型 FDD などで用いる端子、HDD のうち SASI インターフェースを持つ HDD で用いる端子が有ります。
SASI 用の端子については、「FDD や端子などに関する雑記」も参照して下さい。
次にピンアサインを示します。表中、最も左端の数字はピン番号です。
電源端子 ピンアサイン ( FDD、HDD、CDD ) |
機 種 名 |
FDD 端子 |
ペリフェラル端子 |
SASI 用端子 |
端 子 規 格 |
ATX 規格 ? ※1、※2 |
ATX 規格 ? ※7、※2 |
日電 独自 |
端 子 形 状 |
参考写真-1 ※3 |
参考写真-2 ※8 |
参考写真-3 ※9 |
1 |
+5VDC ※4 |
+12VDC ※6 |
+5VDC ※4 |
2 |
COM ( GND ) ※5 |
3 |
COM ( GND ) ※5 |
4 |
+12VDC ※6 |
+5VDC ※4 |
+12VDC ※10 |
- ※1
ATX Specification での「Floppy Drive Power Connector」に酷似。
- ※2
PC-9800 シリーズのうち、一部の機種で配列が反転している。詳細は工作室の記憶様の「+5V と +12V のピンが通常とは逆の内蔵機器用電源ケーブル」や「SCSI 籠と IDE 籠の電源ケーブル」を参照の事。
- ※3
端子は、タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 ( 旧 AMP ) の「EI コネクタ」と呼ばれる物で、オス側のハウジングが品番 171822-4、コンタクタが品番 170204-1、メス側が品番 171825-4 または 171826-4 か、これらの相当品を用いる。
- ※4
電線の被覆は一般的に、赤色である事が多い。
- ※5
電線の被覆は一般的に、黒色である事が多い。
- ※6
電線の被覆は一般的に、黄色である事が多い。
- ※7
ATX Specification での「Peripheral Power Connector」に酷似。
- ※8
端子は、タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 ( 旧 AMP ) の「MATE-N-LOK コネクタ」と呼ばれる物で、オス側のハウジングが品番 1-480424-0 または 770997-1、コンタクタが品番 60619-4 や 61117-4、メス側が品番 350211-1 または 350424-1 か、これらの相当品を用いる。
- ※9
元々の端子の仕様は不明だが、日本圧着端子製造株式会社の EL シリーズの端子と互換性がある様だ。オス側のハウジングが品番 ELP-04V、コンタクタが品番 SLM-01T-P1.3E、メス側のハウジングが品番 ELR-04V、コンタクタが品番 SLF-01T-P1.3E か、これらの相当品を用いる。
- ※10
電線の被覆は一般的に、橙色である事が多い。
|
表中、最も左端および左から 3 列目の数字はピン番号です。
なお、電源からメインボードへ至る電線は ATX Specification によると、原則は AWG18 とする様です。 ( ATX 電源の 11 番ピンだけは、3.3V sense を接続する関係か、AWG22 とする模様 )
電源端子 ピンアサイン ( メインボード ) |
機 種 名 |
AT 電源 |
機 種 名 |
ATX 類似電源 |
端 子 規 格 |
不明 ※1、※2 |
端 子 規 格 |
ATX 規格 ? ※6、※7 |
端 子 形 状 |
参考写真 なし |
端 子 形 状 |
参考写真-1 |
Pin1 1 |
Non Connected ※4 |
1 |
+3.3VDC |
Pin1 2 |
+5VDC |
2 |
+3.3VDC |
Pin1 3 |
+12VDC |
3 |
COM ( GND ) |
Pin1 4 |
-12VDC |
4 |
+5VDC |
Pin1 5 |
COM ( GND ) |
5 |
COM ( GND ) |
Pin1 6 |
COM ( GND ) |
6 |
+5VDC |
Pin2 1 |
COM ( GND ) |
7 |
COM ( GND ) |
Pin2 2 |
COM ( GND ) |
8 |
PWR_OK ※8 |
Pin2 3 |
Non Connected ※5 |
9 |
+5VSB |
Pin2 4 |
+5VDC |
10 |
+12VDC |
Pin2 5 |
+5VDC |
11 |
+3.3VDC |
Pin2 6 |
+5VDC |
12 |
-12VDC |
Pin3 1 ※3 |
COM ( GND ) |
13 |
COM ( GND ) |
Pin3 2 ※3 |
COM ( GND ) |
14 |
PS_ON# ※9 |
Pin3 3 ※3 |
COM ( GND ) |
15 |
COM ( GND ) |
Pin3 4 ※3 |
+3.3VDC |
16 |
COM ( GND ) |
Pin3 5 ※3 |
+3.3VDC |
17 |
COM ( GND ) |
Pin3 6 ※3 |
+3.3VDC |
18 |
Non Connected ※10 |
- |
- |
19 |
+5VDC |
- |
- |
20 |
+5VDC |
- ※1
規格書などは不明な為、一般的に見かける配列を記載している。
- ※2
端子は、Molex 90331 シリーズで、オス側のハウジングが品番 90331-1003 ( Pin1 ) と90331-1002 ( Pin2 ) 、コンタクタが品番 08-50-0277 か、これらの相当品を用いる。
- ※3
AT 電源は端子が 2 個以上に分かれているが、3 個目の Pin3 端子についてはオプション扱いの為、存在しない電源も有る。
- ※4
PC-9800 シリーズのメインボード内では接続していないが、一般的な AT 電源では Power Good ( ATX 電源の PWR_OK 信号相当 ) 信号と定義されている。
- ※5
PC-9800 シリーズのメインボード内では接続していないが、一般的な AT 電源では -5VDC と定義されている。
- ※6
ATX Specification での「Main Power Connector」に酷似。
- ※7
端子は、Molex の「Mini-Fit Jr 5557 コネクタ」と呼ばれる物で、オス側のハウジングが品番 39-01-2200、コンタクタが品番 45750-1111 か、これらの相当品を用いる。
- ※8
電源出力が安定すると High ( 約 5V ) を出力する。
- ※9
電圧レベルを Low にすると電源投入 ( 全出力 ) になる。
- ※10
PC-9800 シリーズのメインボード内では接続していないが、一般的な ATX 電源では -5VDC と定義されている。
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上記以外の電源が用いられている事も多々有りますが、使用されている端子は日本圧着端子製造株式会社の VH シリーズやヒロセ電機株式会社の QR-P2 シリーズなどが用いられている様です。
ATX 電源の電圧変動の許容値ですが、バージョンにより異なります。一番条件が厳しいのが Ver2.01 で、電圧変動の許容値は +3.3VDC が ±4%、それ以外は ±5% です。
5VSBX はパワーマネジメント用の電源で、本体の電源が投入されておらず待機状態の時でも電源を供給する回路です。ソフトウェア的に電源の状態を管理するのに使用します。ATX Version 2.01 までは 0.72 A以上なら大丈夫でしたが、ATX Version 2.03 からは 1.0A が必須、2.0A 以上を推奨、となっています。
電源からメインボードまでの各電線の被覆色ですが、+3.3VDC は橙色、+5VDC は赤色、+12VDC は黄色、-5VDC は白色、-12VDC は青色、+5VSB は紫色、PS_ON# は緑色、PWR_OK は灰色、COM ( GND ) は黒色としている事が多い様です。
参考文献
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