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FM TOWNSへWINDOWS95をインストール
このたび、幻の TOWNS 唯一のノート機 ( 実態としては、ラップトップ機と呼んだ方が近いでしょう ) に、WINDOWS95 をインストールすることに成功しましたので、その備忘録です。
次に、手順を示した一覧表を提示します。
余談ですが、一覧表で挙げた「区画設定」項目を設定しようとしてエラーになった場合、「ドライブの構成」項目の設定を誤っている可能性が有りますので、見直して下さい。
但し、エラーの文面が「ドライブの準備ができていません. 」ではなく「データエラーです. 」の場合、HDD 自体の故障が疑われますので、HDD が正常に稼働しているのかも検証する事を推奨します。
WINDOWS95 インストール方法 |
順序 |
説明文 |
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WINDOWS95 アップグレード版をインストールする場合、TOWNS 用の MS-DOS V6.2 と WINDOWS3.1 を用意してください。 ( この辺は PC-9821 と同じです。 )
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まずは MS-DOS V6.2 を起動します。「SETUPにようこそ」の画面が表示されると思いますので、PF3 キーを押下してキャンセルします。終わらせるのか聞いてきますので「Y」を押下します。
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3 |
終了させたのち、CUI で「setup2」と入力しリターンキーを押下します。
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4 |
「MS-DOS動作環境設定」画面上で「ディスク」を選択します。
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5 |
「ドライブの構成」、「区画設定」をそれぞれ入力します。選択するメニューを変更するには TAB キーを、前画面に戻るには PF3 キーを押下してください。
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6 |
「ドライブの構成」では、空いているドライブの所でリターンキーを押下し ( ただし、Q ドライブ以外とすること ) 、「ドライブタイプの選択」では「ハードディスク」を選択します、「ユニットの選択」は HDD の SCSI ID ( ユニット番号 ) の正しい数値を指定します。
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7 |
「区画設定」では区画名は好きな名称を入れて OS 種別を設定したのち、起動は「起動」と指定し、容量を確保 ( 最大2G ) します。「A」を押下すると、最大限の容量を確保しようとしてくれます。
OS 種別は HDD のフォーマット形式を指定する設定ですが、接続しているのが純粋な SCSI HDD なら「MS-DOS 512」とした方が良いでしょう。しかし、他のインターフェース ( 例えば、IDE や SATA ) へ変換してから HDD や SSD を接続している場合は、「MS-DOS EXT」とする必要が有ります。
原因は不明ですが、変換している状態で「MS-DOS 512」へ設定した場合、フォーマットやインストールを実行すると一通り完了するものの、再起動後に何もデータがないと怒られて起動しないためです。
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8 |
設定が終了したら、PF3 キーを数回押下してください。そうすると設定を保存するか聞かれますので、「Y」を押下します。
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リセットしたら、FDD から MS-DOS V6.2を起動し、システム転送付のフォーマットを行うか、「SETUPにようこそ」の手順に沿ってMS-DOS V6.2をインストールします。
なお MS-DOS V6.2 のインストールは正規の FD を使って行わないとHDD 上の IPL ( MBR ) の書き換えに失敗して起動出来ない事があります。
私は最初、正規の FD からバックアップした FD を使って作業を行ったらインストールは正常に終了するのに、起動しなくて焦りました。正規の FD も当然所有していて、そちらでやり直したらで大丈夫でしたが、こういう時に違法コピー ( いわゆる割れ物 ) しか持っていないと痛い目を見ますね !
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インストール終了後にリセットすると、HDD から MS-DOS V6.2 が起動するようになるはずです。
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MS-DOS V6.2を起動したら CD ドライバーを組込みます。
x:\>EDIT CONFIG.SYS
と入力してリターンキーを押下する ( 「x」はドライブ名 ) と編集画面が出てきますので以下の文章を 3 行目と 4 行目の間に追記してください。
DEVICE=x:\DOS\CDISC.SYS DEVICE=x:\DOS\CDDRV.SYS /D:TOWNS_CD /U0:0 LASTDRIVE=Q
「0:0」は、ゼロ、コロン、ゼロです。LASTDRIVE ですが、「Z」へ設定するとこれまたうまく起動しなくなったりしますので、「Q」へ設定した方が良いでしょう。
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記入が終了したら、設定を保存して終了 ( 「ALT+F」, 「S」で保存し、「ALT+F」,「X」で終了 ) します。
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x:\>EDIT AUTOEXEC.BAT
と入力してリターンキーを押下するとまた編集画面が出てきますので、次の文書を 4 行目と 5 行目の間に追記してください。
x:\DOS\MSCDEX /D:TOWNS_CD /M:8 /L:Q
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記入が終了したら、また先ほどと同じ手順で保存して終了してください。
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編集終了後、リセットしてください。成功していれば起動時に CD ドライバーが組込まれるようになります。
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ここで、WINDOWS95 インストール時の注意事項です。インストール前に、TOWNS の拡張メモリが HMM が有効になっていることを確認し、インストールの為に起動するときは TOWNS を FAST モードで起動してください。
SN の場合、起動時に「T」を押下しながら電源をいれると FAST モードになりました。FAST モードが有効になると、右下に怪しい黄色い印が出てきます。
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起動後、WINDOWS95 のセットアップディスクを CD ドライブに挿入後、以下を入力してリターンキーを押下してください。
x:\>Q: Q:\>SETUP
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ここまでくれば、あとはセットアップ画面にしたがっていけばインストールできるはずです。
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途中、WINDOWS3.1 のセットアップディスクを要求されますから、その時は一時的に CD-ROM を交換して認証してください。
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セットアップ完了後、WINDOWS95 起動時は必ず FAST モードを有効にして起動してください。そうしないと途中でハングアップします。
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FM TOWNS SN には、FM50N183 という PC カードと互換性がある専用の NIC があり、型番が違うだけで中身は一緒である FMV 用の FMV-J181 が使用できます。FMV-J181 を使用する場合、WINDOWS95 に用意されている FM50N183 のドライバを手動でインストールしてください。ハードウェアウィザードから検索してドライバを入れようとしたところで、自動認識してはくれません。
自動認識しない事には理由があり、FM TOWNS シリーズ用のWINDOWS95 にはソケットサービスが用意されておらず、PC カードごとに手動で専用のイネーブラをインストールする必要があるからです。裏を返せば、イネーブラが用意されていない PC カードは使用不可ということです。
FM TOWNS シリーズでは、初代から 80H は JEIDA3.0 規格の PC カードスロット、CX10 以降の機種は JEIDA4.0 規格の PC カードスロットが用意されていますが、FM TOWNS ではソフトウェアから電源やリセット信号の制御ができないことからコントローラーと PC カードの仲を取り持つソケットサービスを用意しなかったと思われます。
用意したところで、電源やリセット信号を制御できないのでは使える PC カードがかなり限られると思われます。
なお使用できる可能性のある NIC は、FM50N183 および FMV-J181 以外には発見できていません。
この二つのベースとなっている富士通株式会社の MBH10302 とその互換カード ( 株式会社日立製作所の HT-4840-11、ラトックシステム株式会社のREX-5586、EagleTech の NE200T、J Link の NC5310 ) なども使えるのでは、と思っていたのですが、HT-4840-11 を入手して試験したところ、使用することは出来ませんでした。
なお生産時期による違いなのかは分かりませんが、MBH10302 以外に MBH10301、MBH10304 というシリーズの存在も確認しています。
この二つの NIC は FM TOWNS で使おうとすると、NIC そのものの存在は FM TOWNS 側が認識しているのか、またはしていないのか正確には分かりませんが、WINDOWS95 起動中にドライバの組込に失敗した旨を通知してしまい、使うことが出来ません。
これら使用できないカードでは、ベンダに関する CIS 中の記述と専用イネーブラの記述に不整合があり、途中で初期化を中止してしまっていると思われます。この検証結果から察するに、FM50N183 と同じチップを使っていても使える可能性のある NIC は非常に限られる、と言う事です。
参考文献
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