試運転の資料館
玄関 総合案内 電算機部 営繕部 交通部 通信部

This web site is only compatible with Japanese text.

CAD データのファイルおよび画層の名称について


もくじ

はじめに

異なる CAD 同士の間で図面データを融通する場合、オートデスク株式会社が Auto CAD 用に開発した DXF 形式がよく用いられます。内部仕様が公開されているからなのか、2D の CAD は勿論のこと、3D の CAD や 3DCG を扱う場面でも用いられる事が有ります。

但し異なる異なる CAD 同士の間で図面データを融通する場合、CAD 毎に存在する仕様の違いを考慮して製図した図面データでないと、変換しても肝心の中身が判別不能な状態になる事は往々にして有ります。

そんな困った事態を回避する為に、公共工事では国土交通省が定めた CAD 製図基準や下位互換の基準が運用されている事が有ります。この記事では CAD 製図基準のうち、ファイル名や画層 ( レイヤ ) の設定を抜粋して解説します。


ファイル名称

ファイル名称の名付け方は、平成 28 年 3 月版以前と平成 29 年 3 月版以降で異なりますが、この場では平成 28 年 3 月版以前を基準に記載しています。

次に、概要を記載した一覧表を提示します。

ファイル名の例
「DXYY001Z」
「D」の
部分

責任主体を示し、「D」は設計を示します。

「X」の
部分

整理番号を示し、0 から 9、A から Z の何れかを選択して付与します。

「YY」の
部分

図面の種類を示し、YY の部分が PL だと平面図、SL だと系統図を示します。

「001」の
部分

図面番号を示します。

「Z」の
部分
改訂番号を示し、0 から 9、A から Y、Z を最後として、選択して付与します。

画層の設定

画層の名付け方は、平成 28 年 3 月版以前と平成 29 年 3 月版以降でも殆ど違いは有りませんが、ユーザー領域の部分が半角英数のみだったのが全角も解禁された点が大きな違いです。

次に、概要を記載した一覧表を提示します。

画層名の例
「D-XXX-YYYn」
「D」の
部分

責任主体を示し、「D」は設計を示します。

「-XXX」の
部分

図面オブジェクトを示し、-XXX の部分が -STR だと主構造物、-DOC だと参照事項などの文章、-TTL だと図面枠を示します。

「-YYYn」の
部分

作図要素を示し、-YYY の部分が -STR だとそのほかの構造物、-TXT だと旗揚げ ( 引き出し線 ) へ記入する文字列を示します。n の部分は作図要素の細目を示し、詳細は CAD 製図基準に掲載されています。


おわりに

CAD 製図基準では先述した内容以外にも、画層の色、線種の種類や太さ、図枠や標準的な縮尺、ファイル形式なども掲載されています。

ファイル形式は DXF 形式が業界標準とも言うべき存在になっていますが、CAD 製図基準では ISO 10303-21 ( STEP / Part21 ) へ適合させる為に、SXF 形式かつ、拡張子を P21 形式とする事が定められています。

なお、当ウェブサイトで公開している CAD による図面データは、汎用性を考慮して可能な範囲で CAD 製図基準に則った製図としつつ、ファイル形式は DXF 形式としています。


参考文献


玄関へ戻る

Copyright (C) 2016 "shiunten"