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国産電算機のピンアサイン
初期の 3.5 型 FDD 20、22、24 ピン端子編


もくじ

はじめに

3.5 型 FDD は、ソニー株式会社が昭和五十五年 ( 1980 年 ) の年末に発表しました。

歴史の詳細については参考文献を参照して頂くとして、初期の 3.5 型 FDD と現在一般的に見かける PC / AT 互換機用の 3.5 型 FDD を比較すると、ピンアサインに違いが有ります。次に、ピンアサインの一例を示します。


FDD 端子は端子形状とピン数にいくつかの種類がありますので、注意してください。

また、端子形状やピン数が同一であるにも関わらずピンアサインが反転 ( この状態を俗に、「反転ケーブル」や「反転コネクタ」などと呼ぶ ) している事も有ります。詳細は工作室の記憶様の「コネクタの種類とピン番号」、にが HP 様の「MSX の FDD READY 信号の考察と検証」という記事を参照して下さい。

端子や電線の物理的形状の規格は内蔵型 FDD の場合、ボックス型ピンヘッダ端子は JEITA RC-5224A 相当品、電線はスリーエム ジャパン株式会社の 3365/26 相当品が基本になると思われます。

余談になりますが、FDD に使用するスイッチング電源は「最新フロッピ・ディスク装置とその応用ノウハウ」によると、無負荷から最大負荷までのステップ変動に強く、かつ、そのスイッチング周波数は FDD が使用する 62.5kHz から 250kHz を避けて出来るだけ低めにすると良いようです。


FDD 端子 ピンアサイン
 ( 24 ピン形 ) 

MSX や電子楽器向けの FDD の中には、24 ピンの端子を用いるものがあります。次にその例を示します。

表中、最も左端の数字はピン番号です。

FDD 端子 ピンアサイン
 ( 24 ピン形 ) 

パナソニック
EME-213
※1



不明



参考写真
なし
1 +5V
2 +5V
3 Non Connected
4 +5V
5 +5V
6 Ready
7 GND
8 GND
9 Side Select
10 GND
11 Read Data
12 Write Protect
13 Track 00
14 Write Enable
15 GND
16 Write Data
17 GND
18 Step Pulse
19 Direction Select
20 Motor ON
21 Non Connected
22 Drive Select 0
23 Index
24 Disk Change
  • ※1
    当時の松下電器産業株式会社。松下グループの場合は製品により製造会社が入り組む様にして異なる為、仕様書や部品を探す時など注意を要する。

FDD 端子 ピンアサイン
 ( 22 ピン形 ) 

シチズン時計株式会社が初期に製造した 3.5 型 FDD についても、ピンアサインが少々独特な仕様でした。次にその例を示します。

表中、最も左端の数字はピン番号です。

FDD 端子 ピンアサイン
 ( 22 ピン形 ) 

シチズン
OMDT-20A



不明



参考写真
なし
1 +5V
2 +5V
3 +5V
4 GND
5 Power Fail
 ( Disk Change ) 
6 VCC Detect
 ( IN USE ) 
7 Ready
8 Side Select
9 Read Data
10 GND
11 Write Protect
12 Track 00
13 Index
14 Write Enable
15 Write Data
16 GND
17 Step Pulse
18 GND
19 Direction Select
20 Drive Select 1
21 Drive Select 0
22 Motor ON

FDD 端子 ピンアサイン
 ( 20 ピン形 ) 

20 ピンの端子を持つ FDD は Apple Inc. が製造する Macintosh 用のものがよく知られていますが、過去には 20 ピンの端子ながらもワープロ専用機向けに独自の仕様で製作された FDD が有ります。次にその例を示します。

表中、最も左端の数字はピン番号です。

FDD 端子 ピンアサイン
 ( 20 ピン形 ) 

シチズン
MD-3402
Macintosh



不明



参考写真
なし
1 +5V GND
2 +5V CA0
3 +5V GND
4 +5V CA1
5 GND GND
6 GND CA2
7 GND GND
8 Drive Select 1
※2
LSTRB
9 Drive Select 0
※2
Eject
10 Index
※1、※3
/WRTGATE
11 Motor ON
※4
+5V
12 Direction Select
※1、※5
SEL
13 Step Pulse
※1、※6
+12V
14 Write Data
※7
/ENBL
15 Write Enable
※8
+12V
16 Track 00
※1、※9
RD
17 Write Protect
※1、※10
+12V
18 Read Data
※11
WRTDATA
19 Side Select
※12
+12V
20 Ready
※1、※13
/CSTOUT
  • ※1
    前後のピン配列から推定している。
  • ※2
    ジャンパを経由して 74HC366 の 1 番ピンへ接続。
  • ※3
    74HC366 の 9 番ピンと 10 番ピン、ジャンパを経由して、BA6580 の 3 番ピンへ接続。
  • ※4
    ジャンパを経由して、MB8855 の 14 番ピンへ接続。
  • ※5
    74HC74 の 12 番ピンと 9 番ピンを経由して、MB8855 の 16 番ピンへ接続。
  • ※6
    74HC74 の 3 番ピンと 6 番ピンを経由して、MB8855 の 8 番ピンへ接続。
  • ※7
    BA6580 の 28 番ピンへ接続。
  • ※8
    74HC27 の 11 番ピンと 8 番ピン、13 番ピン、12 番ピンを経由して、BA6580 の 29 番ピンへ接続。
  • ※9
    74HC366 の 3 番ピンと 2 番ピンを経由して、MB8855 の 36 番ピンへ接続。
  • ※10
    74HC366 の 11 番ピンと 12 番ピン、74HC27 の 9 番ピンと 8 番ピンを経由しているらしいところまでは判明しているが、それ以降の接続先は不明。
  • ※11
    74HC366 の 13 番ピンと 14 番ピンを経由して、BA6580 の 33 番ピンへ接続。
  • ※12
    BA6580 の 31 番ピンへ接続。
  • ※13
    74HC366 の 5 番ピンと 4 番ピンを経由して、MB8855 の 37 番ピンへ接続。

Macintosh の補足

Macintosh の FDD は、各種の信号を SEL、CS0 から CS2 の信号線でデコードして RD 信号へ流すという、独特な方式になっています。

この仕様は、Apple Inc. が自社で内製した 5.25 型 FDD が由来です。

その他にもディスク回転数の制御方式に違いが有り、通常の FDD はディスクの回転数は一定に保たれていますが、Macintosh の場合は Zone CAV という一定の区域毎にディスクの回転数を変更する方式をとっています。

Macintosh の補足
SEL CS 2 CS 1 CS 0 RD 信号
0 0 0 0 /DIRITN
0 0 0 1 /STEP
0 0 1 0 /MOTORON
0 0 1 1 Eject
0 1 0 0 RDDATA
( Head 0 )
0 1 1 0 /Single Side
0 1 1 1 /DRVIN
1 0 0 0 /CSTIN
1 0 0 1 /WRTPRT
1 0 1 0 /TKO
1 0 1 1 /TACK
1 1 0 0 RDDATA
( Head 1 )
1 1 1 0 /READY
1 1 1 1 /REVISED

参考文献


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