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通信安定化の雑記と接地について


もくじ

はじめに

この記事では、通信回線が安定しない、速度が出ない、という時に、少しでも状態を改善したいという方に向けて、確認事項の一覧や補足事項を記載しています。


主な確認事項

主な確認項目を以下に記載しますが、詳細な設定方法はプロバイダや使用している機器、OS やブラウザ毎に異なる為、あくまでも概要の記載に留めます。

通信回線の状態を改善する為の主な確認項目
項目 細目 解説








端子の接続不良が無いか

最初に確かめる事は、コンセントプラグや通信用のケーブルが抜けていないか、または抜けかかっていないかを確かめてください。

特に外観上は正常でも、端子のコンタクタのメッキ面の不良で接触不良が起きている事も有りますから、可能であれば通信機器類の電源を切ってから抜き差しすると良いでしょう。

電源コンセントとプラグの向きを合わせているか

日本のコンセントには向き ( 極性 ) が有り、電源コードやプラグの白線や目印とコンセントの穴が少し長いほう ( 接地側、通常は左側の穴 ) を合わせると、理屈の上では通信機器に有利です。

これはコンセントの極性と、通信機器の内部や AC アダプタに存在する変圧器の極性が整合する事で、結果として筐体の電位が低くなりノイズ対策上、有効な為です。

接地を行っているか

通信機器の接地 ( アース ) の目的 ( 保安用なのか機能用なのか ) で異なりますが、接地を施した方が一般的に機器間の電位差が生じにくくなり、有利とされています。

保安用接地の場合は安全上、接地を行う必要が有りますが、機能用接地は接地の可否を含め設置条件により結果が変わります ( 接地は議論の的になる事が有るほど、奥が深い物です ) 。

配線の状態は良いか

電線を目視して、被覆に損傷があるようで有れば交換しましょう。

外観上は異常が無くても、導体が切断もしくは短絡しかけている事も有ります。電線に触れてみて通信状態に変化がある場合も、電線の交換を検討してください。

電線は極力短くしているか

電線は可能な範囲で「出来るだけ太く、必要最小限の長さ」としましょう。

電線が細かったり、長すぎたりすると電力や信号の損失は増えていきますし、強電系 ( 電力系 ) の電線はノイズをより多く撒き散らす、弱電系 ( 通信系 ) の電線はノイズをより多く拾ったりと、利点が有りません。

掃除のしやすさも考えて、交換してしまいましょう。

空中線 ( アンテナ ) の位置関係は良いか

この細目は無線 LAN や WiMAX など、無線通信限定です。

無線通信を行う場合は何らかの形でアンテナを設置しますが、通信機器の電波を遮る物体が存在すると電波が減衰し、安定した通信が難しくなります。

例えば鉄筋コンクリート造 ( RC 造 ) や鉄骨造 ( S 造 ) の建築物は勿論、防火設備 ( 防火戸など ) が有ったり、Low-E ガラスを使った建具のように全面的に金属が使われているような物が有る場合も、電波が減衰しやすくなります。

このような場合は、アンテナの位置を変える、アクセスポイントの電波出力を調整する、リフレクタ ( 電波反射板 ) を設置する事で改善できます。

なお、認証方式や暗号化方式、パスワードの設定などセキュリティ面には十分注意を払ってください。

機器の設置環境はよいか

通信機器には定められた動作環境が有り、これを逸脱すると機器が異常動作をする事が有ります。

例えば空調していない空間で用いると、真夏はいわゆる熱暴走を引き起こす事が有りますし、冬場は、冷え切った筐体内部の表面に基板で温められた空気が触れて結露し、その水分が基板へ垂れて故障する事も有り得ます。

その他、塩害地域では屋外からの塩分と水分の侵入を、火山ガスが懸念される地域では腐食性ガスによる故障も疑った方が良いでしょう。

通信機器は可能な限り、空調された室内へ設置するようにします。

機器は交換時期になっていないか

通信機器に限らず、物理的または経済的耐用年数が存在します。説明書に明記されていない場合、機器の仕様、動作環境により異なるので一概には言えませんが、5 年から 10 年程度と想定できます。

もしもこれだけの年数が経過していたら、機器ごと交換する事を検討しましょう。







通信障害が発生していないか

契約している通信回線に障害が発生したり、工事に伴う切替作業の影響で、一時的に通信が出来なくなってるのかも知れません。

別の通信手段 ( 問い合わせ窓口へ電話する、スマートフォンで契約しているプロバイダの公式ウェブサイトで確認する、など ) で、状況を把握しましょう。

頻繁に通信する機器やプログラムが無いか

使用していないにも関わらず、バックグラウンドで通信し続ける機器やプログラムも有ります。

不要な通信をしている機器やプログラムが無いか、HUB の様子を観察するなどして確認しましょう。

回線の状態を正常に認識しているか

通信機器の電源を投入した時、機器自身が通信回線の状態を試験して、自動的に通信速度を決める事が有ります。

この時、偶然にも回線の状態が悪くて通信速度を低く抑えてしまう事が有りますが、そういう時は通信機器を再起動して通信速度の再設定を試みると良いでしょう。








セキュリティソフトを見直たか

セキュリティソフトが複数インストールされていて、競合している場合が有ります。この場合は、不要な物を削除します。

競合していない場合も、機器運用の変化などを理由として、セキュリティソフトの設定内容が適切では無くなっている場合が有りますので、もう一度説明書を読んで見直しましょう。

不要なログやキャッシュが溜まってないか

使用している端末の OS やブラウザで不要なログやキャッシュが溜まっていると、動作が遅くなる事が有ります。

一旦削除すると動作が軽くなりますので、試してみるのもアリです。ただし、オンライン認証に関わるアカウント名やパスワードの自動入力もクリアされる可能性が有りますので、事前にバックアップか控えておくと良いでしょう。

OS やブラウザのアップデートを行ったか

使用している端末の OS やブラウザのバージョンを確認して、もしもアップデートしていないのであればアップデートしましょう。

セキュリティや機能の面から、すぐに確認する事をお勧めします。

デバイスドライバのアップデートを行ったか

念のためにデバイスドライバのバージョンも確認して、もしもアップデートしていないのであればアップデートしましょう。

電源の管理を確認したか

例えば Windows を搭載している機器ならば、「電源オプション」を高パフォーマンスへ変更する事で、結果、通信速度を改善できる場合が有ります。

SNP の設定を確認したか

Windows の世代により Scalable Networking Pack という機能が搭載されていますが、設定を見直す事で動作速度を改善できる事が有ります。

MTU 値、RWIN 値を確認したか

詳細な解説はプロバイダの公式ウェブサイトなどを検索して頂きたいですが、通信回線の状態に合わせて MTU 値や RWIN 値の数値を調整する事により、改善出来ます。

DNS サーバの設定を確認したか

DNS サーバは、プロバイダが用意したサーバとしている事が多いと思われますが、これを別のサービス ( 例えば、Cloudflare や Google、Quad9 に OpenDNS など ) へ変更する事で、改善できる事が有ります。

ただし、信頼できるサービスを選定するようにして下さい。

IP アドレスやポート番号を見直したか

例えば、DHCP が正常に機能しない場合、IP アドレスを固定すると改善できる事が有ります。

ポート番号は通信に使用するプログラム ( ブラウザ以外に、オンラインゲームなど ) の仕様により、標準から変えてしまうと速度が落ちたり安定しなくなる場合と、ポート開放した方が改善できる場合に分かれます。







ファームウェアのアップデートを行ったか

ファームウェアもアップデートする事が有りますので、製造メーカーの公式ウェブサイトを確認してみましょう。

無線 LAN の帯域は良いか

無線 LAN の周波数帯域は 2.4G 帯以外に 5GHz 帯、60GHz 帯が有ります。

ノイズなどで障害が発生している場合、周波数帯域を変更すると改善できる事が有ります。ただし周波数帯域の変更は、通信機器と端末の両方が同一の規格に対応している必要が有りますので、説明書で確認してください。





LAN ケーブルは適切か

LAN ケーブルで、古い Cat.5e のケーブルを使っていたりしないでしょうか。いくら通信回線の速度が速くても、ケーブルの規格が適合していなければ無意味です。

Cat.6 や Cat.7 など、より新しい規格のケーブルへ更新しましょう。

対撚り配線へ変更する

電線のうち対となる電線を撚り合わせる事で、強電系の場合はノイズを撒き散らす事を、弱電系の場合はノイズの侵入を抑制できます。

撚り合わせる事による改善は機器の外部、内部を問わず適用できますが、厳密にはツイスト率を検討して適切な仕様とした方がより良い効果を発揮します。





機器や配線の離隔を確保する

ノイズ対策を考えた場合、まずはノイズ発生源の電源を切る、機器および電線の系統上または直線距離の離隔を確保するのが鉄則です。

具体例としては、直流または交流から異なる周波数の交流を発生させるインバータからは、高調波ノイズを避ける為に出来るだけ離隔を確保すると良いでしょう。

このインバータという機器は、80 年代中頃から電動機を用いる機器などを中心に搭載される事が多くなりましたが、運転時に高調波ノイズを発生させます。

インバータからの高調波ノイズは、一般的に第五高調波が、条件次第では第三、第七、第十一高調波も悪影響を及ぼします。

高調波抑制対策技術指針 ( 平成 7 年制定 ) に適合しない機器が有る場合は、ノイズ対策以前に他の機器のコンデンサを電路を通じて壊してしまう恐れもありますので、出来るだけ指針に基づく対策も行った方が良いでしょう。

ノイズフィルタを使用する

ノイズ対策のフィルタとして、EMC フィルタやフェライトコアなどが販売されています。

フィルタはただ単に使えば良い訳では無く、最初に用途 ( 電源用、通信用の別 ) 、適用する周波数帯域 ( 通したくない、または通したい周波数帯域 ) を明確にして選定します。そうしないと、必要な信号を減衰させて本末転倒になります。

ノイズの原因を明確化してから、製造メーカーが納入仕様書 ( データシート ) を公開している場合は、周波数帯域ごとのインピーダンスを表した一覧表などと比較、検討して選定しましょう。





通信機器の仕様が古くないか

これも LAN ケーブルの場合と同じで、対応規格が古いので有れば不具合が無くても機能的耐用年数に達していると考えられます。

契約している通信回線に適合している、より新しい機器へ更新しましょう。

通信機器への接続台数は適切か

特に無線 LAN で、アクセスポイントなどへの接続台数が多いと機器側の処理が追い付かず、通信速度が低くなります。このような時は、通信機器を交換または増設すると改善できます。










通信回線の干渉

日本国内の ISDN と ADSL は、通信で用いる周波数帯域に重なる部分が有ります。

NTT の電話局内部や、電話局から自宅までの経路で干渉を受けている事がありますから、気になる方は NTT やプロバイダへ相談すると良いでしょう。

保安器の通信回線への適合

保安器とは、雷などが由来の異常な電圧、電流から通信機器を保護する為の部品です。

保安器のうち、ある特定の保安器 ( 6PT 型という遠隔試験機能付保安器のうち、初期生産品 ) が、電話着信時に ADSL の通信を切断してしまう現象が発生した事は有名です。

なお余談ですが、稀に保安器へ盗聴器を仕込む犯罪者が居ますので、もし保安器を交換する時はいわゆる MDF 盤みたいな鉄製の箱に収納して、盤の鍵をタキゲンの 200 番以外にすると安心できます。

スプリッタの有無

スプリッタとは、電話回線を通じて受信した信号を電話機の音声信号と xDSL の通信信号に分ける為の分波器で、同一系統内で複数使用すると、スプリッタ同士の共振で通信できなくなる事が有ります。

意外な盲点がガス、水、電力の自動検針装置、防犯・入退室管理設備で、これらの設備が外部と通信に電話回線を用いている場合、機器に内蔵されているスプリッタや継電器 ( リレー ) の影響を受けたりしますので、注意が必要です。

ブリッジタップを外してもらう

ブリッジタップとは、NTT から自宅までの通信回線にある、余計な回線の事です ( 平たく言うと枝線、盲腸線 ) 。

通常、メタルの電話回線は NTT の電話局から幹線として CCP ケーブルなどの多芯ケーブルを敷設します。

各需要家 ( 住宅や事務所など ) へは接続端子函 ( クロージャ ) を使って、幹線と分岐配線を接続しますが、この時に幹線の余った部分の配線を再利用できる様、末端を開放してぶら下がった状態にしておきます。これが問題のブリッジタップです。

このブリッジタップが有ると終端抵抗がない回路が存在するのと同じ状態になり、通信が安定しない事が有ります。

現在は分かりませんが、かつてはブリッジタップの有無は申請すれば無料で調べて貰えるが、実際の工事は結構な負担金が掛かったようです。

収容局までの距離

特に ADSL の場合、NTT の電話局から自宅までの距離が遠いと信号の減衰が激しく、通信が安定しない場合が有ります。

NTT やプロバイダへと交渉すれば、もしかしたら収容替えによる改善を行えるかも知れません。

AM ラジオなどによる誘導障害

ASDL と AM ラジオは周波数帯域が近く、ラジオの送信局が近いなどの理由で電話線が電波を拾ってしまい障害を起こす事が有ります。

ノイズフィルターで対応するしか有りませんが、あまりに酷い障害が出ている場合は、総合通信局へ相談してみる方法も有ります。


コンセントの向きについて

上記の一覧表の中で、コンセントと電源コードやプラグの向き ( 極性 ) を整合させると有利であると記載しましたが、ノイズ対策の面だけでは無く、保安の面からも極力整合させる事を推奨します。

電子機器の内部に設置されているヒューズは、単相 AC100V 回路のうち片側にしか設置されていない事が多いですが、ヒューズ溶断時に電源側 ( コンセントの穴が少し短いほう、通常は右側の穴 ) が切り離される方が、より安全だからです。


電源種別について

通常、日本の家庭用電源は単相 3 線式といって、単相 100V と単相 200V を R 相、N 相、T 相の結線で同時に供給しています ( 古い家屋だと、単相 2 線式もあります。その場合は単相 100V しか取り出せません ) 。

R 相と T 相は対地電圧 100V ( 一般家庭のコンセントで俗に「電源側」「ホット側」と呼ばれているのは、この R 相と T 相 ) 、N 相は中性相とも言って R 相と T 相の電流値が同じなら電流は流れません ( R 相と T 相の電流が打ち消しあう ) 。また日本国内では、技術的理由で N 相は接地されています ( 一般家庭のコンセントで「接地側」「コールド側」と呼ばれているのは、この N 相 ) 。

余談で、一般家庭の分電盤では主幹ブレーカも設置されていますが、この主幹ブレーカは N 相の状態も監視して、異常が有れば電路を開放 ( トリップ、いわゆる「ブレーカが落ちた状態」 ) します。これには重大な事情があり、中性線欠相事故から保護する為です。

中性線欠相事故とは、N 相の電路が何らかの理由で意図せずに開放された状態になった時、R-N 相間または、T-N 相間にある軽負荷の機器内部に過電圧がかかり、機器が破壊される事故をさします。このような事故を防ぐために、主幹ブレーカは N 相の状態を監視して、欠相したらトリップするようになっています。

以上の理由から単相 3 線の主幹ブレーカは、AT 値が適合する物の中から 3P2E 型 ( 太陽光発電設備が有る場合は 3P3E 型 ) を選定する必要が有ります (厳密にはさらに、事故電流の遮断失敗による二次災害を防止する為、定格遮断容量も確認する必要が有ります ) 。


接地について

接地線の太さ、系統の考え方の詳細は、内線規程 ( 電力会社により若干の違いがあるので注意 !  ) や国土交通省大臣官房官庁営繕部設備・環境課監修の「建築設備設計基準」 ( いわゆる茶本 ) 、病院設備設計ガイドライン ( 電気設備編 ) などをご覧ください。

さきほど技術的な理由から N 相は接地されている、と記載しましたが、具体的な理由は変圧器で高圧と低圧回路が混触したときに高圧側の地絡継電器を確実に作動させ、低圧回路を保護するため、です。

N 相の電路が接地されていると聞くと、N 相の電路と接地線を共有出来るのではないか、という疑問が湧きますが、迂闊に接続すると地絡しても漏電遮断器が地絡電流を検出できず作動しなくなる為、技術的検証と関連した改修工事の必要が出てきます。

この話を理解する為にはまず、接地方式の違いを理解する必要が有ります。日本国内では接地方式が TT 方式 ( イタリア、中国の一部も TT 方式のようです ) となっていて、そのほか、欧州で主流の TN-S 方式、米国で主流の TN-C 方式、TN-C 方式を基本にしつつ受電側で結線を変更している TN-C-S 方式が有ります ( 国内では医療機関やプラントで用いられる IT 方式も有りますが、割愛します ) 。

この中で TN-C 方式は、先ほどの「N 相の電路と接地線を共有」と同じ考え方の結線となりますが、この方式は地絡電流が PEN 導体へ還流してしまう関係上、漏電遮断器は動作しないので、過電流保護用の遮断器で地絡保護も兼用するか、TN-C-S 方式へ変更してから漏電遮断器を用いる、などが知られています。このような理由から、N 相の電路と接地線を共有する事は一筋縄では行きません。


TT 方式と TN 方式を比較すると、TN 方式は等電位ボンディングによって接触電圧の発生を抑制出来ていれば、ノイズ対策や地絡事故発生時の人体への接触電圧が低く抑えられる利点が有ります。

一方、TN 方式は地絡時に数 kA という電流が流れる可能性が有って上流系統との保護協調が難しい、インバータの高周波漏れ電流が大きくなり電磁誘導障害が発生しやすくなる、TN-C 方式では PEN 導体が損傷したり、負荷の不平衡が起きると筐体の対地電圧が上昇しやすく感電の危険性が高くなる、TN-S 方式は必要芯数の多さから費用面で不利、などの欠点も有します。

TT 方式はノイズ対策の面では不利な物の、地絡電流は TN 方式と比べると小さい、負荷の不平衡が起きても筐体の対地電圧は上昇しない、という利点を有します。


輸入した電気機器を日本国内の商用電源へ接続する際、上記に記載した内容を含めて電源供給の技術的整合を事前に検討しておかないと、感電事故や波及事故の発生が懸念されますので、ご注意下さい。

具体的な対策は、機器の電源部を改造または交換する、絶縁変圧器を用いて接地方式としては切り離した状態にする、絶縁監視装置を設置して地絡を把握できる様にする、などが考えられます。


おまけ

機器の雷保護に関する資料は、避雷器を製造しているメーカーにまとまった資料が有りますので、そちらへのリンクを紹介しておきます。


参考文献


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