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通信安定化の雑記


ネットワークが安定しない時のチェックポイントを以下に記載します。

  • セキュリティソフト、ルータの設定見直し、アップデート

やはり一番影響が大きいのは、セキュリティソフトやルータではないでしょうか。設定を見直すことで、速くなったり、よりセキュリティが強固になることもあります。

  • ポート番号を変えていない。

ルータでポート開放しているが、ポート番号が標準設定のままだったりずっと変えていないなどの場合、ISPに規制されてしまう事があります。

なので、定期的にデフォ以外で、セキュリティ上の問題がないポートに変えると良いでしょう。(セキュリティ上も定期的に変えることが好ましいとされます。)

  • MTUなどを調整する

Windowsではネットワーク関係のパラメータを弄る事により、回線速度が改善する場合があります。また、LAN内のIPアドレスを固定していない時は、固定すると良くなる事があります。

  • ケーブルがぐちゃぐちゃ

ケーブルがPCの後ろでぐちゃぐちゃ、とぐろ巻いてませんか?それが原因でノイズが増え、通信が不安定になる事があります。せっかくなので、ケーブルを短くしてみてはいかがでしょう?掃除もしやすくなって一石二鳥です。

  • 使うケーブルは、対撚り線(ツイストペアケーブル)にする。

下手にフィルターをはさむよりも効果が高かったりします。PC内部のケーブルも暇な時に、撚り撚りすると幸せになれるかも...。撚り撚りするときは、どれがペアなのかを考えて行いましょう。(じゃないと意味がありませんし、逆効果です。)

  • 無線LANにはしない。

RC造やS造の場合、特に不安定になりがちのようです。セキュリティ上も余計な心配が増えたりしますから、積極的には勧められません。

どうしても使いたいのなら、認証方式としてWPA2-PSK、暗号化方式としてAESを使用し、パスワードには強固な組み合わせを用いたうえで、リフレクター(電波反射板)を用いて、無線LAN親機などが第三者の機器と通信しにくいようにしてください。(リフレクターの設置は合法です。)

  • ノイズ発生源になっている電気機器の電源を切る or 系統上または直線距離の離隔を確保する。

一番やらなくてはならないが、なかなかうまくやれない事ですね。ノイズと言って問題になるのが、インバータによる高調波ではないでしょうか。80年代中頃から、電動機を用いる機器にインバータが搭載される事が多くなりました。

このインバータという機器はその性質上、高調波を発生させます。高調波の発生源がひとつだけであるならば問題になる事は殆どありませんが、発生源が複数となると電力系統が高調波で規制値いっぱいまで汚染されていて、その電力系統から電源を供給しているネットワーク機器の誤作動を招く事が有ります。問題とされるのは第五高調波で、地域によっては第三、第七、第十一高調波も問題になります。

特に、ネットワーク機器と同一の電力系統内に、高調波抑制対策技術指針が制定(平成7年)される以前に設置されて以後、何の対策も取られていないインバータ付の空調機がある場合、ネットワーク機器内部のコンデンサを高調波で発振させて壊してしまう恐れもありますので、注意が必要です。(余談ですが、電力分野で使用される進相コンデンサは、昔はそのまま電力系統に繋げていましたが、今は高調波による破損対策で必ず直列リアクトルとセットで設置します。)

  • 通信回線の引込点からスプリッタの間には、余計なものを挟まない。

xDSL方式の場合、通信回線の引込点(責任分界点)からスプリッタの間に余計な機器を挟んだり、スプリッタを複数個使用してはいけません。スプリッタを並列に複数個接続した場合、系統内で共振を起こして特定の帯域の信号だけ通信できなくなる事がある為です。

スプリッタは1個しか使ってないから大丈夫、と思っていても意外な盲点になるのが、ガス、水、電力の自動検針装置、ホームセキュリティの類です。この様な機器がある場合、設置位置の関係上、引込点とスプリッタの間に設置されていることが多く、スプリッタを複数個設置しているのと同じ状態だったり、機器の製造時期によってはxDSLを想定していないので継電器(リレー)の動作状態によって通信が不安定になるので注意が必要です。

余談ですが、これは保安器も同様な問題を抱えていて、ある特定の保安器(6PT型の初期生産型)が問題を抱えています。これより新しい保安器ならば対策済みですので問題ありませんし、これより古い保安器なら、想定外の事態が発生しないとは言い切れません(信号の減衰量などが許容値に収まらない等)が、まず大丈夫と思われます。

保安器の6PT型というのは、切り分け試験機能付きの保安器で、初期生産型は上記の自動検針装置の類と同じ問題を抱えているようです。

(ものすごい横道ですが、保安器は稀に盗聴器を仕込む(!)犯罪者が居ますので、もしも交換する時は屋内に設置する、またはいわゆるMDF盤みたいなのに収納して、盤鍵をタキゲンの200番以外にすると安心できます)

  • モデムの影響

モデムの電源を入れると、NTT局との間でテストが行われます。その時回線の状況もチェックされ、状況が悪いと速度が低めに抑えられてしまいますので、定期的に再起動してやるとよいでしょう。

  • ISDNとの干渉

日本国内のISDNとADSLは、ほとんど同じ周波数帯を使っています。NTT局の内部や、局から自宅の経路で干渉を受けていることもありますから、やたら遅い人はISP経由でNTTに相談するとよいでしょう。

  • ブリッジタップの影響

ブリッジタップとは、NTTから自宅までの回線の間にある分岐回線の事です。(平たく言うと枝線、盲腸線)

通常、電話回線はNTT局から末端まで多芯ケーブルを架空で敷設します。で、電柱の上にある接続端子函(クロージャ)というので各住戸に配線をつないでいくのですが、末端部分の手前で分岐すると、分岐部分から末端まで解放されたペアが残ります。それがブリッジタップです。

こいつがあると、SCSIを終端抵抗なしで使うのと同じ事になります。(信号がやまびこの如く行ったり来たりして、結果として信号にノイズが載る)NTTに言えば取り外してもらえます。(有料かつ高いようです。)

  • NTT局から遠い

これは物理的な問題なので、対策が取れません。引っ越すか、回線変えましょう。

  • コンセントの向きを合わせる

あまり知られてませんが、実は日本の商用電源には向きがあり、電源コードに白線などが書いてある方やプラグに印のある方と、コンセントの少し穴が長いほう ( 通常は左側 ) と合わせます。そうするとノイズが少しは減るはずです。これは、機器内部に存在している電源の小さな変圧器の極性が正しく接続される事によります。

もっとも、ノイズ以前に保安上の理由から合わせるべきなんですが...。

通常、日本の家庭用電源は単相3線式といって、単相100Vと単相200VをR相,N相,T相の結線で同時に供給しています。(古い家屋だと、単相2線式もあります。その場合は単相100Vしか取り出せません。)

R相とT相は電圧相で対地電圧100V、N相は中性相と言ってR相とT相の電流値が同じであれば理論上、電流が流れません(R相とT相の電流が打ち消しあう)。

コンセントのうち、少し穴が長いほうがN相になりますが(たまに結線を間違えていたり、穴の大きさが一緒の時もあります。)、家電のヒューズは大抵、片側にしかついていません。機器内部で短絡してヒューズが溶断したとき、N相より電源側が切離されたほうが安全だから電源側にヒューズが来るよう、向きを合わせるべきなのです。

余談ですが、単相3線の分電盤内での主幹ブレーカーは中性線の状態を感知して、場合によりトリップするようになっています。これには重大な事情があり、中性線欠相事故を監視しているのです。

中性線欠相事故というのは、中性線が何らかの理由で開放された状態になった時、R相,N相か、N相,T相間にある軽負荷の機器に過電圧がかかり、機器が破壊される事故をさします。このような事故を防ぐために、主幹ブレーカーは中性線の状態を監視して、欠相したらトリップするようになっているのです。

オーディオ好きの方の中で、自宅のブレーカーを変えたという方がたまにおりますが...単相3線の主幹ブレーカの交換時には3P2E型(太陽光発電が載っている場合は、3P3E型)かつ、中性線欠相を監視できるものが必要である事、AT値以外にも定格遮断容量を確認する必要がある(遮断容量がおかしいと、事故電流をうまく遮断しきれません)ことなどを理解されているのか、気になるところです。

  • 接地する

接地するとノイズは減ることが多いです。ただし、接地極が正しく施工されていればの話ですが...。保安上の観点からも接地するようにしてください。

接地線の太さや、接地線の系統のあり方は、内線規程 ( 電力会社により若干の違いがあるので注意 !  ) だとか国土交通省大臣官房官庁営繕部設備・環境課監修の「建築設備設計基準」(いわゆる茶本)や、病院設備設計ガイドライン ( 電気設備編 ) をご覧ください。

余談ですが、先ほど出てきた中性線も接地されています。 ( 世の中に存在する中性線が全てそうなっている訳ではありません。 ) たまに中性線を代用して接地しちゃいかんのかという質問を聞きますが、答えはダメです。接続した瞬間、漏電遮断器がトリップします。

日本の接地方式では、中性線の接地は変圧器で高圧と低圧回路が混触したときに高圧側の地絡継電器を確実に作動させ、低圧回路を保護するためのもので、機器接地を行うものではないのです。結線方式がいわゆる TT 方式になっています。 ( イタリア、中国の一部も TT 方式のようです。 ) 

これが欧米では一般的な TN 方式だと、中性線 ( 正確には保護導体 ) と接地線が結線されていて ( TN-C か TN-S により系統上の結線位置が異なる。 ) 、ちょっと事情が異なったりしますが...。

 ( さらに横道...TT 方式と比べ TN 方式は等電位ボンディングによって基準電位を確保しやすく、接地極間の電位差が小さいのでノイズ対策の点で確かに勝りますが、同時に地絡時には下手をすると TT 方式とは比べ物にならない数kAという電流が流れる可能性があるという欠点も有します。インピーダンスが低いので当然ですね。地絡時の安全性から言えば、TT 方式のほうが有利なのです。 ) 

  • ノイズフィルタ

やっとここでノイズフィルタの登場です。ノイズフィルタは、電源、ADSL用にたくさん揃っています。好きなもの使ってください。

とはいえ、単純に使えばいい訳ではありません。なぜならば、フィルタを使用するとノイズを減らすと同時に信号も多少減衰してしまう事が多いからです。スイッチング電源を製造するメーカーが提供している、納入仕様書などの資料を参考にフィルターを選定するとよいでしょう。


参考文献
情報通信ビルにおける雷害対策技術
中国の電源事情に対する課題と対策
データセンター向け低圧遮断器
機械安全国際規格の紹介


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