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ドリームパスポートにおける独自タグの解説


もくじ

はじめに

ドリームキャスト用ブラウザのドリームパスポートでは、独自に拡張された専用の HTML タグ ( 以下、専用タグ ) を使用する事が出来ます。

専用タグはドリームキャスト現役当時、公式ウェブサイトでデモンストレーションのページが公開されていたという話も有れば、非公開だったという話も有ります。この記事の執筆者は当時の詳細を知らない事も有り、今となっては事実関係が不明です。

そんな専用タグですが、解析して動作方法を見つけ出した人が居ました。この記事では、先人が解析した専用タグについて、動態保存する目的で内容を解説します。


何が出来るのか

専用タグでは、次に示す事が可能です。

  • ビジュアルメモリへ文字列を表示
  • ビジュアルメモリへ画像 ( 白黒二値のドット絵 ) を表示
  • ぷるぷるぱっくを振動させる

それぞれの詳細は、次項以降にて記載します。

専用タグは、特段の事情がなければ HTML ファイル冒頭の head タグ内へ記述して下さい。head タグよりも下の位置へ記述 ( 極端な話、文章中へ設置など ) しても一応は動きますが、専用タグが記載されている位置までスクロールしないと発動しません。

なお、これを逆に考えると目的の位置までスクロールしたら発動させる実装も可能、という事でも有ります。「ドリームパスポートにおける独自タグの実験場」はこの実装方法にしてあります。


ビジュアルメモリ用の専用タグ 文字列編

ビジュアルメモリへ文字列を表示させるタグの基本的な書式は、次の通りです。

基本の書式

<embed type="application/x-dreamcast-lcdticker"
 text="表示させる文字列"
 hidden="true">
</embed>

専用タグのうち、必須の部分とその意味は次の通りです。

必須部分の解説
  • text="文字"

ビジュアルメモリへ表示させる文字列

  • hidden="true"

埋込要素を非表示にするためのタグ

専用タグのうち、自由に選択できる部分とその意味は次の通りです。

オプション部分の解説
  • port="番号"

本体前面のコントロールポートへ接続したコントローラのうち、どのコントローラへ表示させるかの指定です。本体前面のコントロールポートの番号を 1 から 4 の間で指定します。

標準では 1 ( ポート A ) になっています。

  • slot="番号"

コントローラへ接続したビジュアルメモリのうち、上下に有る拡張ソケットのどちら側のビジュアルメモリへ表示させるかの指定です。拡張ソケット番号を 1 か 2 で指定します。

標準では 1 ( コントローラ上側の拡張ソケット ) になっています。

  • loop="回数"

スクロールの繰り返し回数を指定します。-1 か infinite で無限にスクロールさせ続けます。

  • font="フォントタイプ"

表示するフォントタイプを数字で指定できますが、詳細はよく分かっていません。

  • scrollamount="ピクセル数"

スクロールさせる際の文字の移動距離をピクセル単位で指定します。数値が大きくなるほど速くなります。

  • scrolldelay="秒数"

スクロールさせる際の文字の表示間隔を 1000 分の 1 秒単位で指定します。数値が小さくなるほど速くなります。

  • behavior="動きの仕方"

スクロール時の動き方を指定します。指定の仕方は、
scrool : 同一方向へのスクロールを繰り返す
slide : 指定した方向へスクロールさせてから、端で止める
alternate : 左右に一度往復するスクロール

  • direction="方向"

スクロールさせる方向を指定します。
left : 左スクロール
right : 右スクロール


ビジュアルメモリ用の専用タグ 画像編

ビジュアルメモリへ画像を表示させるタグの基本的な書式は、次の通りです。

基本の書式

<embed type="application/x-dreamcast-lcdimg"
 src="画像ファイルの URL.lcd"
 hidden="true">
</embed>

専用タグのうち、必須の部分とその意味は次の通りです。

必須部分の解説
  • hidden="true"

埋込要素を非表示にするためのタグ

専用タグのうち、自由に選択できる部分とその意味は次の通りです。

オプション部分の解説
  • src="画像ファイルの URL.lcd"

指定された URL にある、拡張子が .lcd の画像ファイルを表示させます。拡張子は .lcd 限定の筈ですが、.gif でも表示出来たとの報告も有ります。

元の画像は白黒二値かつ、解像度は 48 × 32 ドット以下の制限があります。


ぷるぷるぱっく用の専用タグ

ぷるぷるぱっくを振動させるタグの基本的な書式は、次の通りです。

基本の書式

<embed type="application/x-dreamcast-vibrate"
 hidden="true">
</embed>

専用タグのうち、必須の部分とその意味は次の通りです。

必須部分の解説
  • hidden="true"

埋込要素を非表示にするためのタグ

専用タグのうち、自由に選択できる部分とその意味は次の通りです。

オプション部分の解説
  • port="番号"

本体前面のコントロールポートへ接続したコントローラのうち、どのコントローラで振動させるかの指定です。本体前面のコントロールポートの番号を 1 から 4 の間で指定します。

標準では 1 ( ポート A ) になっています。

  • slot="番号"

ビジュアルメモリの項目で記載した通り、コントローラの拡張ソケット番号を 1 か 2 で指定するタグですが、ぷるぷるぱっく自体が取扱説明書の中でコントローラ下側の拡張ソケットへの取付を指定している為、指定する場合は 2 とします。

  • autostart="振動の時期"

ぷるぷるぱっくの振動を開始させる時期を指定します。指定の仕方は、
true : ページへアクセスした際に、自動で振動を開始
false : カーソルでボタンクリック等のイベントで開始

「false」へ設定した場合は、専用タグ部分を name タグにより名前を付けた上で、JavaScript 等で開始させる必要が有ります。

なお、複数の振動パターンを用意したい場合、専用タグを複数用意してから name タグの名称をそれぞれ分けると、実装可能と思われます。

  • power="数字"

振動の強さを 1 から 7 の間で指定します。最大は 7 です。

  • freq="数字"

振動の周波数を 7 から 59 の間で指定します。最大は 59 ですが、7 に近い方が体感的には強く感じる可能性が有ります。

  • loop="回数"

振動を繰り返す回数を指定します。-1 か infinite で無限に振動させ続けます。

  • oneshot loop="回数"

短い振動を繰り返す回数を指定できますが、詳細はよく分かっていません。

  • on="数字 ms"

振動する時間を 1000 分の 1 秒単位で指定します。このタグについては単位も記載する必要が有ります。

  • off="数字 ms"

振動しない時間を 1000 分の 1 秒単位で指定します。このタグについては単位も記載する必要が有ります。


参考文献


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