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5.25 型 FDD のフロントベゼルを製作してみる


もくじ

はじめに

某オークションなどでは FD1155D などの 5.25型FDD が販売されているのを見かけますが、ドライブ単体で販売されている場合は PC-98 本体からの取外し品も多く、取り外し品の場合はフロントベゼルが無い状態で販売されていることが殆どです。

5.25 型 FDD を AT 互換機に内蔵する場合、フロントベゼルがない個体を内蔵したとしても機能的には問題ありません。

しかし、意匠的には非常に間の抜けた状態になってしまいます。意匠的に美しくしたい。そうだ、フロントベゼルを自作しよう。ということで、自作してみました。


製作手順

次に、製作手順の例を示します。

フロントベゼル製作記録
参考写真 説明文

参考写真-1

まず最初に、フロントベゼル周囲のベース部分を製作します。

フロントベゼルの寸法は正面から見て高さ 41mm 、幅 146mm です。フロントベゼルの寸法は規格として規定されているのかは調べてもよく分かりませんが、最初に発表された 5.25 型 FDD の寸法が高さ 82mm 、幅 146mm であったことに由来しています。

PC 本体のケースの状態により若干寸法に違いがあることもありますので、FDD と PC 本体を実測して現寸図を起こして検討してから製作することをお勧めします。

切り出した板材を組み立てますが、この時に使用する接着剤は溶剤形接着剤を使用すると接着部分の強度を確保しやすくなります。作例では透明なプラ板を用いていますが、これは接着の状態を確認しやすくする目的で、敢えて使用しています。

接着するときは三角定規などの治具を用いて直角を出すようにしてください。そうしないと、みっともないフロントベゼルになってしまいます。少しぐらい大丈夫だろうと思うかもしれませんが、完成後に思いのほか目立ちます。

写真は、フロントベゼル二個分の材料が写っています。

参考写真-2

一度に四面の部材を組み立てようとすると、直角に組み立てることに失敗しやすくなります。

ですので、参考写真のようにまずは二つに分けて組み立てたのち合体させてやるとうまくいきます。

写真は、フロントベゼル二個分の材料が写っています。

参考写真-3

ベース部分を合体した直後は簡単に変形する状態で、大丈夫かと思われるかもしれませんが、補強材や前面の仕上げ板を接着していくと強度を確保できるようになります。

参考写真は、フロントベゼル周囲のベースを組立後、補強材と FDD 本体との接合部分を組み立てた直後の写真になります。

写真は、フロントベゼル二個分の材料が写っています。

参考写真-4

前面の仕上げ板を接着しますが、仕上げ板はベースや補強材の組み立て後、数日間放置したのちに接着してください。

理由は、溶剤形接着剤を用いた接合部は接着してから数日間は溶剤の揮発に伴って微小な変形を繰り返していきますが、時間を空けずに仕上げ板とベースを接着すると仕上げ板周囲の接合部に歪みの発生や、これに伴って完成後に美観が損なわれる可能性、残留応力による強度面の不安が有る為です。

参考写真は、ベースに仕上げ板を接着した時の背面の写真です。今回の例では、基板が腐食して再起不能の PC-9801RX 解体時の発生材より、仕上げ用の板材を切り出して使用しています。

この記事の執筆者のように仕上げ板を切り出すときは、わずかに小さめに切り出しておき FDD 本体のイジェクト用ボタンの類に干渉しないように調整しながらベースに接着するようにしましょう。

参考写真-5

接着剤の硬化後、周囲に発生した隙間を埋めます。

隙間を埋める材料は通常のパテを使用してもよいですが、私はパテの代用として一般的に入手しやすいエポキシ樹脂系接着剤を使用して隙間を埋めました。

エポキシ樹脂系接着剤は硬化後の変形が少ないので重宝しています。エポキシ樹脂系接着剤は作業時間を考慮して 30 分で硬化しはじめる物を使用すると良いでしょう。

なお、隙間を埋めるときは仕上げ板と面一 ( 読み方は「つらいち」、段差がない状態 ) に埋めるのではなく若干大目に盛り付けておくと、下記の作業が捗ります。参考写真は、ベースに仕上げ板を接着した後に、ベースと仕上げ板の間にできた隙間を埋める作業を行っている時の写真です。

参考写真-6

エポキシ樹脂系接着剤を用いて隙間を埋めたのち、仕上げ板とベースの接合面を面一に仕上げます。

単純にプラ板で仕上げを行った場合は簡単に面取りすれば大丈夫ですが、今回の例のような場合は、平らな面に貼った紙ヤスリを用いて仕上げ板を設計仕上げ面まで削るとうまく行きます。

参考写真-7

紙ヤスリで削っていくときは、ヤスリの荒さ ( 番手 ) が 400 番あたりの物で、下地調整を行い、1000 番程度の物で仕上げを行うと綺麗に仕上がります。

参考写真-8

完成後、FDD に組み込んだ時の参考写真。

塗装はグリーンマックスの小田急アイボリーにしようか、タミヤの明灰白色 ( AS-2 ) にしようか迷いましたが、結局、明灰白色にしました。


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