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FDD のゴムベルト一覧


もくじ

はじめに

或る日の事です。 かつて栄華を誇った PC-98 家の末裔である Ls12 の FDDに、おもむろに FD を入れアクセスしました。そうしたら、謎の爆音を響かせるではありませんか。おまけに FD を読み込まない。

しかし、すぐに原因は分かりました。ベルトが経年劣化で破断していたのです。すぐに交換用のベルトを購入して交換しました。

せっかくなので、交換するにあたり事前に調べた情報を一覧にしてみました。以下の一覧については FDD の状態にもよりますので、参考程度にしてください。なお、明らかに間違っていたらご指摘お願い致します。 ( ベルト交換時、一緒に電解コンデンサも交換した方が良いかもしれません。 ) 

Special thanks!!!

この記事の一部には、Flyingharuka 様から提供して頂いた情報が記載されています。ご協力してくださった Flyingharuka 様に、感謝の意を表します。


注意事項

なお、ゴムベルトを交換した FDD ではデータの書き込みやフォーマットは行わない方が無難です。The Adequate Junkers ! ( KAZZEZ's Web Pages )  様曰く、SCANDISK で書き込みテストをしてみると、修復不可能なスキップセクタが発生する事が有る模様です。


ゴムベルト一覧

次に、ゴムベルトの一覧表を示します。

代用ゴムベルト一覧
代表的な機種 FDD 型番 仕様 ( 参考 ) 
単位mm
備考
PC-9821
notePC
 ( 98NOTE ) 
※1、※2
FD1238T ゴムベルト
 ( 角 ) 
Φ70 × 0.95T
※12
PC-9821
notePC
 ( 98NOTE ) 
※1、※2
W1D ゴムベルト
 ( 角 ) 
Φ65 × 0.95T
※13
FMR-50CARD EME272 ?  ゴムベルト
 ( 角 ) 
Φ70 × 0.95T
※14
PC-9801T U1DB-15A ゴムベルト
 ( 平 ) 
Φ57 × 0.4T 
× 2.2W
※15
J3100 用外付け FDD
初代 PC-9821
U1DB-82L
または
U1DB-16A
ゴムベルト
 ( 平 ) 
Φ60 × 0.4T 
× 1.6W
 ?  FD-334GF ゴムベルト
 ( 平 ) 
Φ60 × 0.4T 
× 1.6W
FM TOWNS
MARTY
EME-215FS
※8
ゴムベルト
 ( 平 ) 
Φ57 × 0.4T
 × 2.2W
または
ゴムベルト
 ( 角 ) 
Φ55 × 1.2T
※16
MSX
ワープロ
シンセサイザー
※3、※4、※5
EME213
※9、※10
ゴムベルト
 ( 平 ) 
Φ57 × 0.4T
 × 2.2W
または
ゴムベルト
 ( 角 ) 
Φ55 × 1.2T
※16
MSX
シンセサイザー
※6、※7
D357B
※11
ゴムベルト
 ( 角 ) 
Φ80 × 1.2T
IBM 製外付け FDD
FDD-101
D353F2 ゴムベルト
 ( 平 ) 
Φ65 × 0.4T 
× 1.2W
または
Φ70 × 0.4T 
× 1.2W
※17
  • ※1
    目安として、95 年 11 月以降発売の機種 (  Na12,Nb7,Nd2,Ne3 など ) 。ただし、同じ時期に発売されている Na9 では FD1139T が使用されている情報がある一方、95 年 1 月発売の Nm では、W1D が使用されている情報があるなど、発売時期のみで推測するのは困難なので、事前に所有している本体や外付け FDD を分解して、調査する事を推奨する。
  • ※2
    正確には不明だが、型番や生産した工場、ロットの違いなどの理由で、FD1238T ( 日電が内製した個体と、TEAC が OEM した FD-05HG の個体がある ) 、W1D の何れかが使用されている模様。
  • ※3
    MSX の一例として、松下電器産業 ( 現 Panasonic ) の FS-A1F、FS-A1FM、FS-A1FX、FS-A1WX、FS-A1WSX、FS-A1ST、FS-A1GT、河合楽器製作所の KMC-5000 など。
  • ※4
    ワープロの一例として、松下電器産業 ( 現 Panasonic ) の FW-U150AI、FW-U1P505AI、FW-U1P611、東芝の JW95KP、JW88F、JW88FX、JW98AJ、W98UP2、日本電気の文豪ミニ 7R、文豪ミニ 7RX、文豪ミニ 7RM など。
  • ※5
    シンセサイザーの一例として、YAMAHA の QY300、W7、MDF2、KORG の X3 など。
  • ※6
    MSX の一例として、SONY の HB-F1XD、HB-F1XDmk2、HB-F1XDJ、HB-F1XVなど。
  • ※7
    シンセサイザーの一例として、YAMAHA のV50、SY77など。
  • ※8
    純正の交換用ゴムベルトの型番は、DFWV75C0009 ( パナソニック株式会社の場合 ) である。
  • ※9
    EME21* 型番は共通である可能性がある。
  • ※10
    純正の交換用ゴムベルトの型番は、DFWV75C0009 ( パナソニック株式会社の場合 ) である。
  • ※11
    純正の交換用ゴムベルトの型番は、9-994-678-01 ( ソニー株式会社の場合 ) である。
  • ※12
    ゴムベルト ( 角 ) Φ60、Φ65、Φ70 のベルトを用意して比較実験を行ったところ、Φ60 ではベルトの張力が高すぎるなどの理由で安定動作しない。また、Φ65 では動作する事もあるが、主に 2HD フォーマットで安定動作しない傾向にある。
    よって適用できる可能性が高いのは Φ70 だと思われるが、個体によっては Φ60 × 0.95T や Φ65 × 0.95T の方が安定動作する場合も有る為、各サイズを複数本調達して、適切なものを選ぶとよい。
  • ※13
    ゴムベルト ( 角 ) Φ60、Φ65、Φ70 のベルトを用意して比較実験を行ったところ、Φ70 ではベルトの張力が低すぎるなどの理由で安定動作しない。また、Φ60 では動作するが、個体によっては安定動作しない傾向にある事、軸受けやスピンドルモータの負担が大きくなる。
    よって適用できる可能性が高いのは Φ65 だと思われるが、個体によっては Φ60 × 0.95T や Φ70 × 0.95T の方が安定動作する場合も有る為、各サイズを複数本調達して、適切なものを選ぶとよい。
  • ※14
    ゴムベルト ( 角 ) Φ65 × 0.95T と × 1.2T 、Φ70 × 0.95T と × 1.2T を用意して比較実験を行ったところ、× 1.2T の場合はフレームや制御基板に擦る、ベルトの張力が高すぎるなどの理由で正常に動作しない。
    個体差もあるので Φ65 × 0.95T と Φ70 × 0.95T の両方を複数本調達して、適切なものを選ぶとよい。
  • ※15
    この情報の初出は、9801x68k 様の 2019 年 8 月 3 日の投稿と考えて良いようだ。
  • ※16
    ゴムベルト ( 平 ) が手に入らない場合、 ( 角 ) を 2 本用いる事によりどうにか代用可。ただし僅かにズレただけで絡まって使用不能になるので、別にガイドなどを製作した方が良い。
  • ※17
    この機種の情報は、Flyingharuka 様から提供して頂きました。同時に参考写真も受領していますので、以下に公開します ( ご本人了承済み ) 

ゴムベルトの交換を行う際、FDD 側は生産時期の違いなど、ゴムベルト側は製造メーカー間の仕様の違いや個体差 ( 公差、伸び方、クリープ現象などの各特性 ) の違いにより、単純に上記の表の通りの組み合わせで交換しても正常に動作しない事も有ります。

上記でゴムベルトを複数本調達する事を薦めているのは、正常に動作する組み合わせを得やすくする目的です。


D353F2 の参考写真

最後に、D353F2 の参考写真を掲載します。

D353F2 参考写真集
参考写真 説明文

参考写真-1

外観上部。本体側は D-Sub 25 ピン端子の模様。

参考写真-2

外観下部。モデル名として FDD-101、FRU は 05K8827 の記載有り。

参考写真-3

内部の全景。スピンドルモーターの位置は FD1238T とほぼ同一。

参考写真-4

制御基板の拡大。こちらの面には部品があまり実装されていない。

参考写真-5

制御基板の拡大。こちらの面には制御コントローラが実装されており、また、設定用と思しきチップ抵抗も備わっている。

参考写真-6

制御基板を取り外した所。設定用のチップ抵抗では、ドライブ番号が設定できる模様 ( それ以外は不明 ) 

参考写真-7

型番が記載されたシール。

参考写真-8

部品番号と思われる文字列が記載されたシール。


参考文献


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